セミプロブロガーの憂鬱:#07 ブログを10年続けるための10のポイント
このブログは本来、3年で終了するプロジェクトでした。
それまでブログを書いたことはありませんでしたし、自分の書き手としての力を試すつもりで始めたというのもあります。しかし3年が過ぎたころには、別のブログを始めたりすることはあるとしても、ブログそのものはやめられないと気付いてしまいました。
なにか伝えたいメッセージを心にもって書き続けるとき、**ブログと生活は不可分になってきます。**書くのはその日のことですが、ブログそのものは過去を振り返ることを可能にし、同時に未来を引き寄せてくれるのです。
ブログが生き方自体に寄り添うなら、ブログを考えることは自分の将来を考えることにもなります。そこでお勧めしたいのが、ブログの「十年計画」をたてることです。### 10年続くブログをつくる
ブログの十年計画とは、「○年後に本を書いて」「○年後に△PVになることを目指して」といったような数値的な計画ではありません(それでもかまいませんが)。
むしろそれは「このまま何年も書いていても無理がないだろうか」と、ランニングでいうなら走るときのフォームを気をつけるような考え方です。
たとえばブログのテーマは、本当に好きな話題を選んでいるでしょうか? ジャンルの枠にとらわれて無理をしていないでしょうか?
例を挙げると、「○○についてのブログを書いている」の「○○」の部分を他のブログの書いていることから考えて自分に枠をはめてしまうという罠があります。
「ライフハック」のブログはiPhoneアプリや、ビジネス書を紹介するものだというルールはありません。時には地下鉄構内に響くバイオリンの音に耳を傾けたり、屑鉄の寄せ集めのヘリコプターの話をしてもべつににいいでしょう。
ブログそれ自体が一つのジャンルであることを目指すと、長続きする Only Oneなブログを維持することができます。
「10年後に意味のあるストックになっているか?」も、計画を立てる際に考えるとよいポイントです。どんな記事をストックすることが良いログになるのかはあらかじめ自明ではありません。しかし少なくとも「これは100本集めても意味がなさそうだ」という記事は避けるようにはしたいところです。
Om Malikの10年続くブログの10のポイント
10年という時間はイメージがわからないかもしれませんが、ブログについて言えば結局は毎日やっていることが地に足がついているなら問題がありません。
ここで参考になるのが実際に10年続けてきた Giga Om の Om Malikの10年続くブログを書いてきて学んだ10箇条です。
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ブログはつながりをうみだすもの: ブログは単に書いておくだけのものではなく、読者とのつながりによって広がってゆくものです。新しい知り合いは常に新しいアイデアと機会につながります。
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本心から書く: 嘘っぽいものや真実を薄めるものは時間の試練をくぐりぬけることができません。
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間違うことは正解をいいあてるのと同じくらい大事: 常に正しいことを書くことよりも重要なのは間違えたときにそれを認めて、教えてくれた人に謙虚になれるかということ
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やめないこと: 結局のところ、ブログは最後に書いた記事程度に新鮮なものだから
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自分が読みたくないこと、自分について書かれたくないこと書かない
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読み手の時間を大切にして、書くべきことがあるときに書くこと: 読者の時間を大切にするなら、彼らは貴重な時間を割いてくれるはず
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書いてから、投稿をするまでに15分は待つこと: 文章を客観的に推敲できるように
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家族に読まれてもかまわないような言葉遣いを選ぶ
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ブログは意見をいうことが大事というよりは、ある角度から世界をみつめて、それを読者に共有する作業
そして最後のアドバイスが味わい深いです。
多くのブロガーが表題と記事を細工して検索で上位になるように自分をねじ曲げます。しかし一時的に探しやすくなった結果、記事は読んでいてつまらなくなる傾向にあります。一部のブロガーはこの十年で強い言葉を選ぶことを選ぶようになりましたが、それは料理の塩と同じで、よく考えないと効き過ぎになるのです。
ここには SEO の1文字もありませんし、「セルフブランディング」があるわけでも、なにか戦略的な計略めいたものがあるわけでもありません。ただ自分らしさを保つために念頭に置くべきアドバイスがあるだけです。Om が引用しているアドバイスもあわせて訳しておきましょう
これからどんなブログを読むのであれ、それを真似しようなどと考えてはいけない。自分を知り、自分の好みを探求して、それに基づいてオンラインの自分を作り上げたほうがよい。一時的なブームや、自分にあてはまらないものからは離れて、本当のコンテンツを作ろう。話題の写真をはりつけるだけというのはその反対の極致だ。
最後になるが、始めのうちは経験や助走がなければアクセスが干上がって更新で帰しにくくなることがよくある。それでも自分が楽しいと思うことを追い続ければ、いずれは同じことが好きな人々があなたを発見するだろう。どんなブログも最初から人気があったわけではない。誠意を持って賢く書き続けることでそこにたどりついたのだ。
このブログはまだ誕生して5年ですが、この言葉を胸にもう5年書くことができればいいなと思っています。そのためにも、10年に向けて無理のない書き方にできているかは折りにふれて考えていいのでしょう。