セミプロブロガーの憂鬱:#04 One and Only なブログを目指すこと
どうせ限られた時間でブログを書くなら、できれば多くの人に読んでもらいたい、書いていて手応えを感じたいと思うことでしょう。
一つの方法はいうまでもありませんが、注目を集める記事を書くことです。実はこれ自体はそれほど難しいことではありません。iPhoneのように話題になっていることについて書いたり、注目されているキーワードに乗っかるなどといった方法は手堅いですし、他にも「○○をする○つの方法」といった記事タイトルのテンプレートを使うといった方法がいろいろあります。
もちろんこうした方法は大事です。しかし常にこれだけでは単発で効果があっても時間が過ぎるとともに息切れが生じてくることが多いように思えます。
なぜかというと、記事のテンプレートに依存したり、話題に反応するだけでは、しだいになぜ自分がブログを書いているのかという「根っこ」の部分が薄まってくるからです。
それよりは遠回りですが、より確実にブログの手応えを感じるためにできること。それが、「唯一無二のブログをつくること」に集中することです。
いくつかのポイントにわけてみてみましょう。### ブログの名前で「個性」を示す
よく名前が「映画と読書とiPhoneと…」といったキーワードの羅列になっているブログをみることがありますが、もったいないと思ったりします。
きっとブログを立ち上げている本人はとても正直にご自身の興味をタイトルにこめているのですが、残念ながら「映画」も「読書」も「iPhone」もその他多くのキーワードも、たいていの人が好きなことなので、キーワードとしての引きが弱いのです。
またこうしたブログタイトルはキーワード以外のことは書けないという束縛条件になりかねません。
それよりは、あえて内容を限定しないブログのタイトルをつける方が、個性をつけやすくなります。
これは対外的なブランディングの問題というよりは、より自分の個性を出しやすくするために気をつけておきたいポイントです。
「書き方」を真似ない
最近、ブログの書き出しが「どうも、田中です」「最近 iPhone 5 にした田中です」というテンプレートで始まっているブログを数多くみます。
このテンプレートにはいくつかのメリットがありますし、最初に始めたひと、それを自分のスタイルに取り入れることができた人も数多くいます。
しかし今からブログを書く人にとっては、最初からこのテンプレートを利用するだけではとなりのブログの記事と見分けがつきません。
本文だけをとりだして名前を消しても誰のブログか見分けがつくか? というのはチャレンジしがいのあるハードルです。最初は戸惑ったり、迷走しながらこうした文体を獲得してゆくものだと思いますが、いったん手に入れると長い間ブログをかけるようになりますし、読者も他のブログではなく、あなたのブログを読む意味を感じ取れるようになります。
トピックを我がものに
副業ブロガーは限られた時間ですべての話題に反応できないというのは、以前の記事で書きました。
しかしそれでもブログに個性を生み出したいのなら、「この話題には必ず応答する」というキートピックをいくつか決めておくのがよいでしょう。
たとえばEvernoteについて、モレスキンについてなど、あるトピックについて必ず記事を書いていると読む側でも「今回のニュースにあの人はなんと言っている(あるいは言ってない)かな?」という期待感が生まれます。
自分にしか書けないことに集中する
ニュースについては同じ話題がいくつもあるなら、最も有名な場所に行きがちです。しかしブログは同じ話題を扱っているなら、最も個性的な「声」をもっている場所を読みたくなるものです。
たとえ同じ話題でも、自分にしか書けない切り取り方に集中する方が自分の個性がブログに反映しやすくなりますし、それが長期的にみてどんな話題にシフトしてもブログの個性を維持するのに役立ちます。
これは勇気の問題であったりもします。「自分の発言なんて意味がないのではないか」と思って中立的になったり、議論をさけてしまう気持ちは私にもあります。しかしそれでは、読む側にとっての価値はどんどんと基底状態へと落ちてしまい、最後には素の情報しか残らないことになります。
あえて「自分」を混ぜることによって読む側にとって「今日はいい出会いがあった」と感じてもらえるようになれば、書く側にも読む側にも幸福なサイクルが生まれるのではないでしょうか?
One and Onlyなブログをもっと読みたい
最近、「ブログ界がもう一巡した」ということをいろいろな人から耳にします。
新しい書き手、新しい話題がどんどん生まれる一方で、「ブログとはこのように書くもの」というテンプレートの狭間で個性を出し切れていないケースも散見されます。
セミプロブロガーに許されている時間は決して多くはありません。毎日1つしか記事を書けないなら、どうせならば他のサイトでは見られない One and Only なものを作っていく方が戦略としても有効です。
そして数年が過ぎて振り返ったときに、たしかな足跡がログとして残っていることに大きな手応えを感じることでしょう。