名刺で有名なmoo.comが買収したアイデンティティサービス、Flavors.meとは?
オンラインで名刺を作るサービスとして有名な moo.com を使っている人も多いと思います。
美しい紙、精度の高いカラー印刷をオンラインだけで作成してエアメールでささっと送ってくれる moo には過去何度もお世話になっています。たとえば私の名刺の裏側は Flickr から選んだ十数枚の写真がローテーションしているのですが、これも moo だとすぐにできます。
その moo が Flavors.me というオンライン・アイデンティティの会社を買収したというニュースが入ってきておや? と思いました。
flavors.me とはどんなサービスなのでしょう。なぜ名刺や紙製品を扱う会社がウェブサービスの会社を買収したのでしょうか?### flavors.me は個人のオンライン情報のハブ
Flavors.me を使っている人で、一番身近なのが Evernote の CEO、Philです。
アクセスすると、大きく名前と、利用しているソーシャルサービスがすべて表示されます。これをクリックすれば、
このようにそれぞれの書き込みを一覧でみることができます。最後の書き込みが2年前ですか…しかもメッセージが「ドイツ料理…食べ過ぎた…俺のことはいいから先にいけ」ですか…。
実際にはここで示した以外にも、Foursqaure、YouTube、Instagram、など、多くのウェブサービスに対応しています。
このように、あなたのことをフォローしてくれる人にそれぞれのサイトを巡回してもらうのではなく、ありったけの情報が一カ所にあるまっている状態をつくるのがFlavors.meの特徴です。往年のFriendFeedとどこか似ていますね。
たとえ Instagram で写真をとっても、Soundcloud で音声を録音しても、ブログを更新しても Twitter につぶやいても、Flavors.me がすべてをとらえてその人のオンライン上のプロフィールとしてまとめてくれるわけです。
オンラインと現実のプロフィールをブレンドせよ
そう考えると、moo.com が Flavors.me を買収した理由がみえてきます。
SNS がどんどんと友人、知人とのプライベートな場所になるにつれ、また LinkedIn などといったサービスがプロ志向になるにつれて、ブログももたない一般ユーザーが「自分のページ」として名刺代わりに使えるサイトの需要が高まっています。Flavors.me や about.me などはこれに該当します。
これまでも「ネット上の名刺会社」だった moo.com としては、Flavors.me のようなアイデンティティサービスを自前でもつことで、オンライン上のプロフィールを現実世界に持ち出しやすくするようにしたいのでしょう。
読者のみなさんにも、「オンライン上での自分」をもっている人は多くいると思います。そして今後ますます、現実の自分とオンラインの自分との境界は曖昧になっていきます。
そんな時代にそなえて、紙の名刺だけではなく、リアルタイムに変化する「オンラインの名刺」を Flavors.me などで作ってみるのはいかがでしょう?