Scrivenerを使って一日で小説を書き上げる仕組み

ある程度長い文章を書くのにScrivenerは手放せません。

Scrivenerは単なる原稿エディタではなく、まだどのように何を書けばいいのかわからない段階からアイデアを放り込み、文章を醸成することが可能な思考ツールといってもいい機能を満載しているからです。

たとえば書きかけたアイデアをカードの形にしてコルクボード上で一覧表示したり、とりあえずの章立てや項目を複数の断片として書き散らしておいて、あとで自由自在に並べ替えたりといったことがScrivenerでは簡単にできます。

Scrivenerは脚本や小説を書く人にとっても便利で、たとえば登場人物の誰と誰がどの項目に登場していたかといったタグ付けが可能です。400枚近い小説を書いたことがある人なら、バランスよく登場人物が動き回るのを原稿の分量で調整するのがどれだけ面倒で見当を見失いやすいものか知っていると思います。

そんなScrivenerが主催する面白い企画が(去年に引き続き)行われます。なんとScrivenerを使って複数の著者の参加で1日で小説を書き上げてしまおうという試みです。

プロットから、原稿まで

流れはこの通りです。

  • 代表者が、ある小説のプロットを考え、そのストーリーラインに沿って24時間で執筆可能な24のセクションに分割します。

  • これらのセクションは24人の執筆者に0時に送信され、24時間以内にそのセクションを埋めなくてはいけません。

  • それぞれの執筆者はそのセクションを執筆するのに必要な情報しか与えられません。登場人物、ロケーション、そして全体のプロットのうちどの部分を語らなければいけないかです。

あとは文体の人称など、原稿の長さなど、執筆上のいくつかのルールがあるだけで、あとは自由です。

普通は、ある「作品」が一つの著者の名前とつながっていることが多いのでこうした試みは異常に思えるかもしれませんが、歴史上こうしたことは思った以上に例が多いものです。あのホメロスも、一人の人間の作品なのか、複数なのか、あるいはそれまでの口承文学の総仕上げとしてホメロスが登場したのかといった論争があるのですが、論争にかかわらずあのすばらしいイーリアスは何度読んでも胸が熱くなります。

一人の人間の創造性だけでなく、管理された偶発性を組み込むことは前衛音楽にも見られる手法で、新しい作品を数多く生み出しています。

もうすこしこの考え方を進めると、「もし20人の著者で手分けして本を書いたらどうなるだろう?」「文章を書く人、絵を描く人、全体の流れを統括する人に分けて書くことで、いわゆる『アマチュア』でもプロ並みの作品が作れないか?」という面白い発想がわいてきます。

そもそもこれ、表には見えませんけれども現在の本作りの分業制そのものですよね。

本を書きたいという人はどんどん増えているようですが、出版社や編集者に頼らなくても面白い作品を作るしくみも、もうほとんどそろっています。

こうした仕組みを使ってみて、世界に新しい作品を生み出してみるのはいかがでしょう?

via Lorelle on Wordpress: Expand Your Writing Abilities: Novel-in-a-Day Project

[Scrivener App

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。