多少騒がしい喫茶店のほうが仕事ができる理由(とその落とし穴)

Cafe

理由はよくわからないけれども、喫茶店などで仕事をするとはかどる気がしないでしょうか? もしかしたら、それには科学的な根拠があるかもしれません。

研究者が65人のブリティッシュコロンビア大学の学生をさまざまなレベルの騒音の環境下において、たとえば「新しい種類のマットレスを思いつつきなさい」といったブレーンストーミング的な実習を与えたところ、ちょうど騒がしい喫茶店ほどの音量で最もクリエイティブな能力が高まったのだそうです。

50デシベルほどの静かな環境ではクリエイティブさはむしろ抑制され、85デシベルほどの工事現場のようなうるさい環境でも芳しくありませんでした。70デシベルほどの多少騒がしい空間が最も効果的だったそうです。

この実験結果がもつ意味について研究者は次のように仮説をたてています。

“Instead of burying oneself in a quiet room trying to figure out a solution,” the authors write, “walking out of one’s comfort zone and getting into a relatively noisy environment may trigger the brain to think abstractly, and thus generate creative ideas.”

静かな部屋で答えを探してもがくより、「安心空間」を立ち去って少し騒がしい環境に身を置いたほうが、脳がより抽象的な思考をできるようになり、クリエイティブになれるのかもしれない。

それでは、ノマドワークが最高!という話になるかというとそうはいかないのだそうです。

すべての人がこうした騒音のもとでクリエイティブさを発揮したわけではなく、また、発揮できた人も常にこうした騒音のもとにいると効果は薄れてしまうのだそうです。やはり時折、効果的にこうした場を利用するのがよいとのこと。

また、ふだんクリエイティブな思考ができていない人が急に発想豊かになるわけではなく、効果は元から「箱から一歩出た思考」ができる人で最も大きかったとも。

via:Study: The secret to creativity is background noise、元ソース: The secret to creativity: Background noise?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。