ブログを確実に殺してしまう12の行為…のはずが?

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世界中のいろいろな活動にいえることですが、正解はあるようでなかったり、人の数だけあったりします。ブログは特にそうといえるでしょう。ある人にとって正解だった戦略が他の人には効果がないことはいくらでもあります。

そんな例が The Daily SEO Blog で示された「ブログを確実に殺す12の行為」と、それに対して書かれたセス・ゴディン氏の記事で垣間見えておもしろいです。

まず、12のやってはいけないことをかいつまんで紹介しましょう。わかりにくいものもあると思いますので、理由付けは元記事をご覧ください。

  1. ひねった、わかりにくい記事名をつけてしまう

  2. 決して古い記事にリンクしない

  3. 他のブロガーにリンクしない

  4. 最低限のSEO、たとえばページのタイトルと概要を作らない

  5. URLがわかりにくい

  6. 他のブロガーの記事を剽窃する

  7. 一ヶ月に一度しか投稿しない

  8. 文章が、段落が長すぎる

  9. ソーシャルメディアにまったく登場しない

  10. 読者にコメントするように誘わない

  11. 誰も気にしていないことについて書く

  12. あきらめる

それに対してセス・ゴディン氏は「このリストのルールのうち、7つくらいは破ってる。しかも意識的にだ」と記事で書いています。

なぜ意識的にルールを破るのかというと、自分は SEO のために記事を書いているのではなくて、思いついたトピックについて十分に読者に伝えることができているかを気にするタイプの書き手だからだとしています。その上で:

一つの方法はシステムに忠実であることだ。そしてもう一つの方法はシステムと強調することを徹底的に拒否することだ

という教訓を引き出しています。

ルールを守るか、徹底的に破壊するか

ブログにおいて「こうするといいよ」とされているルールの多くは、つまらない、あるいはわかりにくい記事を書かないようにするためのチェックリストとして機能しています。また、実際に伸びているウェブサイトを数多くみていれば自然とわかる「こうした方がよい」というポイントでもあります。

ですから前述の12項目はすべて「正しい」ということもできるわけですが、でもそれを破るなら徹底的に破るのもまた「正解」というところがおもしろいですね。

「文章はこまめに段落でわけなくてはいけない」というルールで、文学の宝である「ユリシーズ」や「ウェルギリウスの死」は読めません。20ページ以上段落が続くことなんて普通だからです。

ブログももたず、他のソーシャルメディアも一切使っていないのに、Instagram だけで多くのファンを獲得している人もいます。

人が興味のある話題について書いて注目を浴びる人もいれば、そんなこと考えたこともなかった!という話題で心を動かす人もいます。

すると一つ一つのブログ記事は(そしてきっと「仕事における自分の役割」といったものも)この両極端の選び取りから始めるのがよいのでしょう。徹底的にルールを守って、誰よりもその世界とシンクロしているか、あるいはあえてルールを破って、周囲の人を不安に落とし込みながら新たな道を指し示してみせる。

その両方の道を選んでもいいのでしょう。形式としてのブログは愚直にルールを守りつつ、話題はテーマ性を拒否してゆくといったように。しかしあるときはルールを守って、あるときは破ってと混乱していては読者もブログのもっている「声」がわからなくなって戸惑うはずです。

みなさんはどのようなルールを守り、かつ破っていますか? もう少し追加で(守った|破った)方がいい場所はありますか?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。