あなたの素晴らしさは周囲に伝わりやすくなっていますか?

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あけましておめでとうございます。Lifehacking.jpは今年も「人生を変える小さな習慣」を核にした話題を地味にご提供できればと思います。

とくに今年集中的に考えたいと思っていることの一つが、**「ウェブで生きること」**というテーマです。しだいにネットとリアルの境界がなくなってゆくにつれて、ウェブでの立ち位置がリアルの立ち位置を左右するようにもなっています。

「ウェブでのセルフブランディング」などという言葉もありますが、きっと今後はそういったわかりやすい見せかけだけでなく、私たち自身のひととなりや人物像も、リアルで会うよりもウェブを介して知ってもらうようになるのだろうなと思います。

そんなことを思いつつRSSを巡回していていたら、いつも鋭い Daring Fireball の John Gruber の書いている iPhone とその他の携帯電話の違いについての記事に考えさせられてしまいました。

この記事は、携帯電話を作る多くの会社がスペックの上での戦いを演じるのに対して、Appleは仕様の上ですべてにまさるのではなく、顧客の目から見て優位に映るように力点をずらすというものでした。

But they misunderstand what good marketing really is. Here’s how Apple does marketing in a nutshell: Make a great product, then let people know about it. That’s it. Neither aspect of that is easy, but the important thing is it has to happen in that order.

彼らは良いマーケティングとはなにかを誤解している。アップルがやっていることは単純にいえば:素晴らしい製品を作って、人々にそれを知らしめること、ただそれだけだ。どちらも難しいことだけれども、ことはその順番でなければ動かない。

これを読んでいて、これはブログや、自分自身のPRにおいてもいえることなのではないかとふと考えました。「ブログをまじめに書いている…でも訪問者が増えない」「スキルを磨いたり努力をしている…しかし誰の目にもとまらない」これは後者、「人に知らしめる」部分の欠落に他ならないのではないでしょうか?

そして「人に知らしめる」という部分は単純に「LTEだから素晴らしいよ!」では感動を生み出しません。あなたの客はそれがなんであるかわからない可能性が高いのです。

むしろ「魔法のように速い」と言ったほうが伝わりやすいのでしょうけれども、そこで前者の「素晴らしい物を作る」との齟齬があってはいけないわけです。簡単なようでいてこれがむずかしい。

あなたのブログは、作っている作品は、あなた自身のスキルや生き方は、ジョブズが好んで言ったように insanely great なものを含んでいるでしょうか? そしてどこがすごいのかが隠れておらず、周囲からみて一目瞭然でしょうか?

周囲の人の認知度というのは、案外この二つのボタンが段違いにならないバランスに拠っているのかもしれません。

む。ということはこの小難しいブログも、もうちょっとわかりやすい広め方がありそうなものですね。これは考えてみないとです。

それはそうと、今年もよろしくお願いします!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。