「ネット速読の達人ワザ」でネタフルメソッドを盗みとる
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ネタフルのコグレマサトさんは、すでに何冊も共著をともにさせていただいた友人ですが、私はコグレさんのブログの首尾一貫としたポリシーとネタの選評眼を先輩ブロガーのワザとして盗めないものかといつもウォッチしています。
しかしその必要はもうなくなりました。本人が「“知りたい情報”がサクサク集まる!ネット速読の達人ワザ 」として一冊の本にしてくださったからです。
本書はブロガーがふだんどのようにネタを探し、整理し、アウトプットしているのかの流れ作業を、ツールの知識などと共に紹介した珍しい一冊です。
読んでみて、私がいつもコグレさんのどんなところに敬意を感じているかも、少しはっきりした気がしますので、そのあたりを本から抜き出しつつまとめておこうと思います。
ぶれない軸が、ネット速読を支える
一人の人が書いているとは思えないネタフルの記事量に驚く人も多いと思いますが、私はむしろ常にブレることがないコグレさんの選別基準と、ネタに対する身の置き方に驚嘆してきました。
選別基準とは、なにをブログの記事とし、なにをしないかという基準です。いかにネタフルといえども、全てのニュースに言及するわけにはいきません。そこにはある種の選別、キュレーションが入るのです。
これをコグレさんは本のなかで「大量の情報をシャワーのように浴びて」いるうちに身につく「広げたアンテナにたまたま良い情報が引っかかってくる」感覚と表現しています。
当たり前のように思えるので流してしまいそうになるのですが、これは 「大量に処理すればいい」ということだけではありません。私のアンテナと、コグレさんのアンテナの形状が同じはずないからです。
本書では何度か情報集めを魚の漁でたとえていますが、釣り針の形状の違うように、情報のアンテナにも指向性があります。その指向性は自分の興味が基本となりますが、そこに潜在的な読者の視点も混ぜることで、ひとりよがりにならないネタの幅を生み出せるとコグレさんは紹介しています。
この、ネタがもっている話題の力と、自分の興味と、読者の視点という3つのバランスが、ネタフルのもっている、ブログメディアよりも身近な、それでいて中立的な空気を作り出しているのだなと思った次第です。
ネタに対して最適化された伝声管
本書ではコグレさんがふだん利用しているツールの紹介も数多くあります。EvernoteやReeder、Instapaperなど、このブログの読者のみなさんならどれかは使っているという人が多そうなツールが登場しますが、ここでもなんだそれなら知っている、と切り捨てるわけにはいきません。
というのも、同じツールを使っていても明らかにコグレさんのほうが生産性が高そうなのですから!そこには当たり前のようでいて当たり前ではない最適化の秘密があるはずです。
たとえば、なぜ、どのようなタイミングでコグレさんが Instapaper を利用しているのかを知ることは、自分の利用の仕方にもメリットがあるはずだというわけです。残念ながらそうしたディープな部分について、本書はページの関係もあるので細かく説明されている部分とされていない部分が入り乱れる傾向にあるのですが、文章を読んでいるうちに行間から読み取れる部分は数多くあります。
つくづく、コグレさんはネタに対して最適化された伝声管のような存在なのだなと思います。失礼を承知でかけば、そのワザ自体は誰でもやっていることや、知っていることです。でも私も、あなたもたぶん、ネタフルではない。
その違いを生み出している秘密が本書には暗号のように散りばめられているのです。
P.s. この記事は「するぷろ for iPhone」をつかって電車の中で書かれました。便利!