グループウェアの「ソーシャル化」を目指す Zyncro
組織の大きさがある程度以上になると、どうしても情報共有のためにグループウェアを導入する必要性が生じてきます。
以前紹介した「チャットワーク」や、「サイボウズLive」など、数多くのサービスが存在し、それぞれに得手不得手があります。また、組織の大きさと流通させたい情報の質と頻度などによってもベストなサービスは変化するので一概にはいえないのですが、共通していえるのは**「どうして新たにツールを覚えなくてはいけないの?」**という点です。
いまや多くのユーザーがSkype、Facebook、ツイッター、Evernote、Dropbox、Remember The Milk といったサービスの使い方を知っているのだから、それらをつなぎ合わせることで理想的なグループウェアを作れないかという発想も当然生まれます。
Zyncroはまだその理想には達していないものの、そうした方向性にむけて一歩踏み出したサービスで、日本ではオーシャンブリッジが提供を開始しています。
先月、オーシャンブリッジの高山社長のご厚意でブロガーミーティングに参加させていただくとともに、Zyncroを一ヶ月ほど利用できましたのでまとめておこうと思います。
Zyncroにいまできること
Zyncroにアカウントを作成してログインすると、まず組織のメンバーの登録を求められます。Zyncroのメッセージ欄はツイッターやFacebookのウォールに近いつくりになっていますので、登録時に数名のメンバーがいないと、次に何をすればいいのかわからなくなってしまうかもしれません。
ユーザーを登録すれば、そのユーザーをフォローしたり、グループごとにわかれてチャットルームを作成することもできるようになります。いうなればグループウェアのなかにツイッター/Facebookが存在する感覚です。
しかしZyncroの持ち味はここから始まります。Zyncroのメッセージをツイッターにつぶやくこともできれば、#zyn のハッシュタグ付きのつぶやきをツイッターからZyncroに流し込むことも可能になっています。
ツイッター上で仕事上のやりとりをしたことがある人は、それがそのままZyncroのなかに取り込まれてゆくと考えるとわかりやすいかもしれません。
こうしたタイムラインをグループごとにつくることできる点はYammerやチャットワークに似ています。そしてメールに比べて非常に身軽なコミュニケーションといえます。
Zyncroにはこうしたグループごとのソーシャルストリームと連携した履歴機能付きの「ファイル共有」や「タスク管理」の機能が存在しますので、現時点で通常のグループウェアとして利用することも可能です。
Zyncroに今後期待したいこと
現時点では外に向かってオープンに開かれている部分はツイッター連携のみですので、Zyncroはまだ既存のグループウェア的な部分の方が強いサービスとなっています。
しかしブロガーミーティングでZyncroの社長さんにお話ししたところ、今後それをFacebookなどの他のサービスに向けても広げていきたいとのことでした。
そうなると、次のような夢を描きたくなってきます。
たとえばFacebookのグループページにRemember The Milkのようなタスク管理を連携させ、メッセージにタスクを「添付」して書き込むと好みのタスク管理サービスにそれが登録されたら便利そうです。
また、ファイルを添付する際にEvernoteやDropboxのようなファイル管理も好み次第で入れ替えつつ、グループウェアの向こうにいる同僚にはそれとはわからないような形で作業を進められたらすばらしいのではないでしょうか?
または、ある人物に連絡を取りたいと思ったときに、Zyncro内部からボタン一つでツイッター、Facebook、メール、Skypeなどが適宜選択されて相手に伝わってくれるという機能もあってもいいかもしれません。
いまのところ妄想のようですが、Zyncroの理想もそのあたりにあるらしいことが、次の報道資料からもわかります。
こうした海外サービスはユーザーのニーズに対する即応性が求められますが、幸いZyncroはオーシャンブリッジが日本の窓口となって開発の方向性についてもコラボレーションされるそうですので、これらの夢が実現するのではないかと期待できそうです。
数名の登録できるユーザーが周囲にいて、ソーシャル的なグループウェアを試してみたいという方はどうぞ。