あなたの夢はその程度か? 大きな「夢」を意識するための Mondo Beyondo リスト
一部ではこのWorld Domination Summitを「自己啓発セミナー」と評している人々もいたと聞いたよ、と、主催者のクリス・ギレボーは開会の際に壇上で笑いながら言っていました。
「自己啓発セミナーという場所で何をするのかは知らないけど、きっとそこは人生が楽しくない人が行くところなんだろうね。ここには人生を楽しんでいる人ばかりがいるのだから真逆だね?」
WDSのスピーチの多くはたしかに自己啓発セミナーのようにインスピレーションを与えてくれるものでもありましたが、集まった人々の関心はむしろそうしたインスピレーションを実際的なビジネスに応用するためのヒントにありました。
それを最も体現したスピーチは、Andrea Scher と Jen Lemen の二人による Mondo Beyondo リストの解説と、彼女らがそれをどのようにしてビジネスにしたかという話題でした。
大きな、大きな夢を抱いてみる
ToDo リスト、Doingリスト、Not-ToDoリスト、など、いろいろなリストがありますが、Mondo Beyondo リストは「途方もない夢」を列挙する楽しい試みです。
あこがれの人に会いたい、遠い国に行ってみたい、不可能だと思っていたことをしてみたいなど、Mondo Beyondo リストにはいつも口にだすことを怖れていた、心のなかに秘めていた大きな夢を書きだします。
このリストに書き込むことは自分を活き活きとさせる、充実感をもたらすものであることが必要です。感情としては達成感、充足感、幸せ、自分に打ち勝った喜びといった感情を引き起こすものを書くわけです。
リストにしたからといってそれが実現するのでしょうか? 不思議なことに、多くの場合には何故かそれが実現してしまうというのが Andrea と Jen のメッセージです。
夢を実現する力を内面化する
これは「思考が現実化する」といった有名な話と似ていますが、むしろ実践的な部分を含んでいます。思考したから実現したというよりは、避けて通っていた思考に真面目に向き合い始めた結果、望む方向性に向かったアクションをとれるようになったという方が正確でしょう。
私たちは大きな夢をなかなか抱かない、どこかでセーブしてしまっているというのが二人の指摘です。Mondo Beyondo, つまり「遥かな世界」へと誘うリストを作ることで、小さな箱の中で小さなタスクを潰してばかりの思考のリミッターをいったん外してしまうのが狙いです。
このリストと並行して、講演のなかでは聴衆全員がどのようなときに Peak Experience 「幸福の絶頂」を感じるかを隣の人に告白し、それを相手によって「それはこういう言葉で表現できるね」と言語化してもらうという試みも行われました。
こうして「言葉」として外から与えられたものを身につけて生活ことで、1) 自分の Peak Experience がどこにあるかを常に意識する、2) その方向に向かってゆくアクションを意識的に選択する習慣をつける、ということを行います。
今回はパートナーに選んでもらった言葉を身体の一部分に書いて一日過ごそうということで、私は「Taking Time」という文字を腕に書き込みました。
本当の驚きがやってきたのはセミナーの最後。「本当は私たち二人が、みなさん全員としゃべって、言葉をかけてあげたい。でも残念ながらその時間はないので、あらかじめ席の下に、それを貼りつけておきました!」
席の下をみると、500人の来場者全員に一つ一つ異なるメッセージが貼りつけてあったのでした。私のはこれ: “Be outrageous. See what happens” 「途方もないことを実行してみるといい。何が起こるだろうか」。
このプレゼントに満場の聴衆は大感激。スタンディング・オベーションで会場は大歓声に包まれました。
Mondo Beyondo のビジネスプラン
二人は、Mondo Beyondo という二人の人生にとっての大切なプロセスを実践するにあたって、それをオンラインコースにすることで生計を営むことのできる副収入にするということも行っています。なんともたくましい。
このプロセスを5週間のコースとして受講したい人は、mondobeyondo.orgで $99 の会員登録をすることで、二人のオンラインコースを受講したり、教材をダウンロードできるという仕組みです。直接クラスを開くわけでも、教材を発行するわけでもないので、必要なのは受講生のニーズに対応する時間とインターネット接続だけというわけです。
どこかあやしげな感じに聞こえるかもしれませんが、この二人の講演をきいていると、どのようにしたらこの疑り深い状態から脱することができるのか、どのようにして夢を信じることができるようになるのかを手伝ってくれる真摯さが感じられます。
つまりこの真摯さもビジネスモデルの一部なのです。どこか青臭く聞こえるメッセージに受講生がもう一度心を開くために、この二人は本気で向きあってくれます。その真摯な向き合いこそが、嘘でも詐欺でもない、彼女たちのビジネスモデルなのだとわかって、私には大きなヒントになりました。
次はいよいよ WDS のハイライト、ジョナサン・フィールズによる「Uncertainity」の講演を紹介します。