マインドマップを使うと急に思考力が高まる。でもそれはなぜ?

Mindmap

どんな道具も、それを利用する人のリーチを伸ばしてくれます。はさみが綺麗に紙を切る能力を、ものさしが美しい直線を描く能力を与えてくれるように、マインドマップは思考の届く範囲を伸ばしてくれるのです。

でも「マインドマップの正しい描き方」にとらわれていて、その効果を感じられないという人も多いのではないかと少し心配になるくらい、マインドマップに関しては「描き方」「作法」といった導入に関する話題が先行するのが気になっています。

そんな折、ライフハックブログKo’s Style のコウスケさん率いる「名古屋マインドマップ普及会」が「マインドマップ超活用術」という電子書籍を発表されています。こちらをご覧になれば、マインドマップに関するいろいろなヒントが得られるのではないかと思います。

名古屋は私の古巣ですので頼もしいことこの上ありません。

マインドマップは論理マップではない

最初に注意なのですが、「マインドマップ超活用術」を開くと、美しいマインドマップの例がたくさん出てきて、「こんな風に絵を描けたらなあ」と嘆息がもれそうになりますが、それは間違った読み方だと断言します。

まずはどれか一つを選んでみてください。そして絵が上手であるかどうかは関係なく、根元のブランチから枝先に向かってマップを「読んで」みましょう。

もしマップの枝を追うことで、短時間に描かれている情報の構造が頭にロードされるようなら、それはあなたの頭脳にとって親和性の高いマップだといえます。そして上手なマップの多くは、このように読むことで手に取るように情報の構造が見えてきます。

次に感じ取ってもらいたいのが必ずしも、この枝の別れ方が論理的ではなく、描いた人の発想 = 思いつきで描かれているという点です。

たとえば自己紹介のマップをみると、「仕事」のブランチのとなりには「想い出」があったり、「ワクワク」といったブランチがあったりします。もしこれが論理的なマップなら、「仕事」「趣味」「来歴」「家族」といったトップブランチしか容認されないかもしれませんが、描いていたその人にはきっと「いまワクワクしていること」をすぐに描きたいという欲求があったのでしょう。

Mindmap2

マインドマップを描くとき、この「脳内ダダ漏れ」の感覚は非常に重要です。マインドマップを使って論理的に思考を細分化してゆくこともできますが、むしろ出たとこ勝負で描いていったほうが、偶然の発見の多い面白いマップが描ける傾向にあると思います。

マインドマップの力とは?

つまりマインドマップは本来不定形な「思考」に形を与えることで捉えやすくしているわけです。そうして引き出された思考の断片にさらに枝をつけてゆくことで、ぼんやりと考えていた思考が虫眼鏡でみるように拡大されていきます。これが「思考力の高まり」だといってもいいでしょう。

なんだか自分はいつもぼんやりと考え事をしているだけでまとまりがない、どうも頭が悪い気がするという人は、汚くていいのでマインドマップの形式でもやもやとした思考に形を与えてみてください。

言い当てることができなかったもやもや感が急に吹き払われて、高い場所に立ったように思考の力で遠くまで望むことができるようになって驚くかもしれません。

きれいなマインドマップをみて嘆息するのではなく、自分の自由な発想の源泉として、この「マインドマップ超活用術」をぜひ活用していただきたいと思います。

p.s.

マインドマップについては私自身多くの誤解を経て使うようになりました。そんな誤解について書いた「マインドマップに対してもっていた3つの決定的な誤解」もあわせてどうぞ

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。