世界に一つだけの「あなたのノート」

Note

ただいま販売中の日経ビジネス・アソシエの3月1日号 で「仕事に効くノート術」の特集が組まれています。小生もモレスキンの紹介ページの端に登場させていただいています。

今回の特集の特徴は、本当に多くの種類のノートが利用者と実際の写真とのセットで提供されているところです。かなりのボリュームですので、どんな人でも参考となるページがきっとあることでしょう。

「達人」のノート術はどうでもいい。 「あなたのノート術」は?

わかっている人には言わずもがなでしょうけれども、雑誌ですし、売り物ですので、紙面には「一流のノート術」「カリスマビジネスマンのノート術」といった言葉が踊っています。しかし私にはそんなものはどうだってよい気がしています。

もし、こうした特集をご覧になって「自分のノートはこんなだからダメだ…」「もっと達人にならなくては」と考える方がいるなら、それはまったく逆です。

ノート術はみなさんの人生をキャプチャーするためにあります。キャプチャーされるべき情報が主人公であり、それをどのようにキャプチャーするかという部分がテクニックになります。

美しい、あるいは非常に機能的なノートをとっている人は、その二つのマッチングがすばらしいのです。そして一人一人の人に、ベストなマッチングがあるはずです。

あなたは何をキャプチャーする? どんなノートのカタチがそれを一番反映する?

それを踏まえたうえで、ぜひこの特集から利用出来る情報をしぼりとってもらいたいと思います。みなさんはどのような情報をキャプチャーする人で、それにはどんなテクニックがいちばんいいのでしょうか? たとえば:

  • アイディア: アイディアを言葉で出す私のようなタイプの人もいれば、イラストやダイアグラムを用いて視覚的に描いた方がよいという人もいるでしょう。本特集では後者の方がわかりやすいので例が多いですが、前者の人も多いはずです

  • スケジュール: スケジュールは Google Calendar でよいという人なら、ノートでスケジュールをまとめるテクニックは必ずしも参考にならないかもしれません。でもデジタルツールは案外、瞬間的に予定を俯瞰することができませんのでアナログなノートでのスケジュール管理を補完的に使うのは大事です。

  • 色、付箋の活用: これも色を重要な部分を立ち上がらせるために使う人と、テーマの違いで色分けする人など、解は一つではありません。自分が色に対してどのような印象を抱くかを考えた上で自分にあったテクニックを実装しましょう。

  • 絵を描くか?: もちろん絵やイラストを描くのが不得意な人もいますので、絵を描けることがよいとは言い切れません。でもやってみると存外描くことができて楽しいこともあります。本特集ではあまりイラスト系の人はいないようでしたが、それはモレスキンのページが充実しているのでぜひそちらをごらんください(笑)

  • どのノート?: 私はモレスキン派ですが、当然もっとカジュアルなノートにどんどんと書きなぐっていく人もいれば、用途に応じて使い分ける人もいるでしょう。本特集でもたくさんのノートが紹介されていますので、自分のイメージに合わせたものを探してください。

こんな要素に分解して自分らしさを考えることで「あなただけのノート術」がみえてくることでしょう。その上でこの特集の数々の例からテクニックを盗みとってください。

キャプチャーしたい情報がすべて過不足なくキャプチャーされているノート、それが世界に一つだけの「あなたのノート」です。それを探しに行きましょう。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。