船のなかで見かけた揺れハック

2週間に及ぶ航海と、6時間おきの観測という作業が終わってちょっと気が抜けてしまっているところです。24時間船に揺られていると、キーボードに向かう気力も集中力も削ぎ落とされていきます。

というわけで、ちょっとお休み的なエントリーとして、船の中でみかけた揺れ対策の工夫についてご紹介したいと思います。

今回至る所で助けられたのが、これ。

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机のうえであれ、床の上であれ、あらゆるところに敷いてある化学繊維のシートです。今回も荒れているときには船体が前後左右に振り回され、椅子は倒れますし、床に置いてあるゴミ箱はすべって部屋の反対側にいきますし、下手をすれば眠っているベッドから落ちそうになります。

それが、このシートさえしいてあれば、とりあえず安心することができます。このシートの上においてあるコーヒーカップは動きませんが、シートから外れていたコップは吹っ飛んでいくという光景もみかけました。

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揺れ対策は至る所に施してあります。上の写真のように本棚には木の枠が取り付けてあって飛び出しを防止していますし、洗面台の扉にはラッチがかけてあります。また、部屋の扉には、かなりつよく引かないと外れないドアストッパーがついていて、ありとあらゆるところに揺れによる事故を防止する工夫があります。

これ、地震による被害の防止にも応用できないかなと思ってみたりします。

環境が違えばここまで日常の風景がちがうのだなとちょっと感心しました。ここまでしなければいけない船にみなさんが乗らずにすむことを祈りますが…。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。