[Lifehack Begin] 第10の習慣:不安をためない技術を磨く

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技術、つまり、ワザとして身につけることのできる手続きで心を落ち着かせたり、不安に陥りそうな状態をある程度変える手段をもっていると、ピンチの時に助けられることがよくあります。

時間がまだ十分にあると分かっているのに、迫る締切りに焦って力が出せなくなるようなとき。悪いことが起きるのではないかという心配に心が苛まれるとき。こんなときに、ちょっと気を紛らせる程度であってもいいので、不安から目をそらすテクニックはいろいろあります。

まず不安や焦りの傾向として、ループしている思考があります。「不安になるな」と自分に言い聞かせるのは「象について考えるな」と自分に言い聞かせるようなもので、思考はどうしてもループして不安のもとへ帰ってきてしまいます。GTD でもこうして頭のなかにある思考は「オープン・ループ」なんて言ったりしますね。

そこで思考をループさせないか、あるいはそもそも不安を感じることのおかしさを自分自身に指摘するなどの方法があります。

すべてを書き出す:

GTD流に、不安に思っていることを詳細に書きだしてみると、それだけで不安を外部化できるので不安レベルが一段下がることがよくあります。また、書きだしてみると自分で矛盾や、考えすぎの部分が如実にわかりますので、自分を客観視できるという点でもいいでしょう。

仕事をしていて不安がたまってきたときには、よく横に置いてあるロディアに「間に合うか不安!」「どうしよう!」などと走り書きしていることがあります。私はこれを「神様への手紙」などと考えていて、こうして小さなロディア No.11 に書いて、ちぎって、そのままにしておくだけで、それなりにうまくいくことがよくありました。それというのも、次の法則があるからです。

実際に不安が現実になる確率は?

実際に不安がそのまま現実化した回数を真剣に数えてみたことはあるでしょうか? これは人にもよるのかもしれませんが、私などは100個の不安に対して1つか2つくらいがいいところなのではないかと思っています。

しかし不安に感じている間はそれが現実化する確率は100%に思えてしまいます。もちろん、だから不安なのです。そこで私の場合、「まてまて、不安なのはわかるけど、君のいう不安の当たる確率は1%くらいだぞ」とひとまず言い聞かせて、当面の next action に集中するという「相対化」を行うのが効果があります。

自分だけの技術があるはず

以上の二つは私の場合には役立ってますが、他の人には効果がないかもしれません。大事なのは、「案外、心というものは手続きによって目先を変えることは可能だ」という点です。そして自分の場合に効果があったテクニックを覚えておいていざというときにつかえるようにしておくことです。

断っておかないといけないのは、これは私のような凡人が日常で仕事の障害になる不安を取り除く程度の話であって、不安神経症や不安症候群の人向けの話ではおそらくないという点です。

不安が一つもないと考えているようなときでも、一枚の紙に向かってみるとなにかしら書き留めることができるものです。そうして不安をおきざりにしたときの清々しさといったら!

心のブレーキを外して、本来の能力でいつも活動したいものですね。

それでは次回まで。

Happy Lifehacking!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。