[Lifehack Begin] 第2の習慣:ふくらむ仕事と作業を分ける

lifehackbegin.png

Doing リスト、あるいはどんな ToDo リストでも崩壊させる一つの要因に、「作業がふくらむ」というものがあります。

たとえば単純作業で5分でおわると思っていた ToDo アイテムに着手したら、実はそれが思っていたよりも大きなタスクで結果として1時間もかかってしまったというパターンです。これではどうしても ToDo が肥大化してなかなか予定通り仕事を片付けてしまうことができません。

一つの原因はもちろん「時間の見積もりが甘い」という点があります。この見積もりができなければどんな ToDo も作業リストではなくて、ちょっと長いですが「やらなくてはいけないと不安に思っているけれども、実際に頭を動かしてどのくらい時間がかかるか見積もっていない事柄のリスト」ということになります。

一つの方法は、かならず一つの ToDo を1時間・2時間といったように時間範囲で書くことを意識して、時間で分割するというものです。これを推し進めたのがシゴタノ!の大橋さんの提唱しているタスクシュートですね。

膨らむ部分を隔離する

しかしこうしたことが起こるもう一つの理由として、「膨らむ仕事」と『固定化された作業」をわけていないというものがあります。ようするに先程の「実際に頭を動かして」という部分では結果を見通すことができない創造的なタスクを手作業と区別していないというわけです。

たとえばプログラミングでいうと、ソースコードの規模が分かっていればソースをコンパイルして、特定の部分のテストを行うといったことは比較的時間の読める作業です。しかし「バグをつぶす」というのはどうでしょうか? 実際にバグの範囲や、解決方法がわからないかぎりは時間の見積もりはできないので、こうした作業は「膨らむ仕事」となります。

「膨らむ仕事」をなんとか肥大化しないようにするのは、原理的にいってできない相談です。それはつまり「一瞬で仕事が片付く魔法はないか」という話だからです。

しかし膨らむ部分を単純にこなしておかなくてはいけない仕事、たとえば「タイムリーに提出しなければいけない書類」「返信しなければけないメール」「明日の仕事の準備」といった部分と切り離して考えれば、膨らむ仕事がほかの部分をロードローラーのように圧し潰していくことが少なくなります。

実際には、創造的なふくらんでもよい部分を17時までこなして積み残した仕事をメモして保存したら、17時から18地は単純作業をおこなうといった交通整理も可能になるわけです。

科学研究は作業的に「膨らむ仕事」の部分が非常に多いせいもありますが、この習慣は私がもっとも苦手としている分野でもあります。私から届くはずのメールを待っている人は、ぜひともこういうことだと理解していただけますと幸いです(笑)。

「では肝心の、仕事の膨らむ部分に対してできることはないのか?」という質問が来そうですが、これについては後日、別の習慣で触れると思います。

それまで、Happy Lifehacking!

p.s.

すべての原稿を船が出航する前に投稿しようと思いましたが、かなり無理がありましたね…。突然ブログが更新されなくなったら、船上で戦っているのだと思ってください…。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。