一年の総仕上げに2010年のレビューを [収集編]

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今年もいろんなことがあったと思いますが、何が計画通り実行できて、何がうまくいかなかったでしょうか?

落ち込むためではありませんが、少なくともこの2点についてイメージをもっていなければ、来年になっても日常の慣性が勝ってしまい、大きな変化を生み出すきっかけは作りにくくなります。

Art of Non-Confortmity の Chris が記事に詳細に書いていますが、多少面倒でも今年も一年を振り返って何がうまくいって、何がうまくいかなかったかをレビューしてみるのに時間を使うのはとても有益です。

そこで30日、31日の二日間とちょっと短めですが、今年の残る2日でこの「年間レビュー」について見ていきたいと思います。まず前半は「収集編」として、レビューに必要な情報を紙のうえに書き留めていきたいと思います。

みなさんもよければ白紙の紙を何枚か用意して実践してみてください。実際、3 番のアクティビティは実際にやってみることで来年に向けたプランニングが見え始めてきて、もう年が明けたような気がしてきます。

収集1:今年一年の成果は?

まず何よりも、今年一年を特徴付ける、特筆すべき成果を並べておきましょう。成果といっても、何も自慢できるようなことでなくても構いません。計画通りに仕事ができたこと、旅行にいけたこと、読むことができた本、見ることができた映画や展覧会、といったものを列挙するのでもよいのです。

(私の場合は、娘が大病もなく1歳になったこと、共著で5冊の本を出版することができたこと、家族旅行に行けたこと、小型船舶免許を取得できたことなどがここにまず入ります)

収集2:一年にやろうとして、できなかったこと

OmniFocus や Remember The Milk のようなタスク管理アプリを使っている人は、そのなかを見てみればすぐに見えてくるはずです。また、GTD を実践している人なら「いつかやる」リストを見ていればなんとなくわかるでしょう。

今年一年で実行しようと考えていたのになかなか実現しなかったプロジェクトや、成果が不足していると思っていることについて箇条書きにしてみましょう。

たとえば、達成できなかった目標、結果が不十分だった取り組み、読みたかったのに読めなかった本のリスト、途中でやめてしまった習慣などがここに含まれます。

(私の場合、実現できなかったいくつかの大きなプロジェクトに加え、「Evernote ハンドブック」のアップデート頻度をなかなか高められなかったこと(いま新しいのを作っていますが)、執筆が忙しくなるとどうしてもブログの執筆に間があいてしまうこと、カバーすることができなかったブログネタなどが思いつきます。ほんとうに、もうちょっとなんとかすることができたはずなのになあ…。)

収集3:2011年に実行したいとおもっていること

現状がみえてきたら、ここからが楽しいところです。優先順位や、どのように実現するかといった具体性はまだ考えなくてもよいので、2011年に実行したいと思っていることを列挙していきましょう。

気になっている仕事、行きたい場所、買いたいもの、読みたい本、会いたい人、達成したい目標、実践したい習慣などを列挙してみましょう。

注意点としてはどれも2011年中にできること、という条件がつくところです。一年が短いことを意識すれば、この制約のおかげでかなり具体的で実践可能なものばかりがリストに加えられるようになります。

収集4:2012-2016年に向けて実行したいと思っていること

ついでなので、「収集3」で思いついた、より長期的な展望については、5年計画としてキャプチャーしておくことをします。

ここまでくると、思いつくのは多少漠然としたことになるはずです。そこで、あとでこの長期ビジョンと短期ビジョンを結ぶアクションを作るわけですが、まずは「なんとなく」でいいので将来のタスクを書きだしておきましょう。

ここで実行しているように、1年先のリストと5年先までのリストを分けておくのも一つのポイントです。

1年先までなら、手順を目算できる事柄も多いはずです。しかし2年、3年となるにつれてだんだんと手順がみえなくなってきます。あらかじめこのように手順が明確なタスクと、不明確になりやすいものを分けておくことで、両者を繋ぎやすくしているわけです。

まずは収集すること

私はこの作業をサンフランシスコからの出張の帰り、飛行機の中で黄色いリーガルパッドを前にして実践していました。

2時間ほど紙に向かっているだけで、紙が数枚びっしりと埋まってしまいましたが、きっと紙に書いていなければ漠然と「あれがしたい」「これが気になる」と考えているだけで、なかなか具体的なアクションを想像することはできなかったでしょう。

さて次の記事ではこうしてダンプされた来年の目標を実現可能なレールの上に乗せていきます。

年末の数時間の投資が来年の大きな飛躍となって戻ってくるとおもえば安いものです。ぜひ、せめて収集3だけでも実行してみることをおすすめします。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。