focus: 混沌とした世界をシンプルに生きる方法

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The Power of Less の著書をもつ Zen Habits の Leo から新しい本、focus が発表されています。

副題は「注意が乱される時代にシンプルに生きるマニフェスト」となっていて、電子メール、ツイッター、常にニュースを追って最新の事情に通じていなくてはいけないという強迫観念に近い気持ちに追い立てられがちな今の世界で、どのようにこれらのものに no と言って暮らすことができるかについてが本のテーマとなっています。

本の中身は「人生を簡単化すること」の章でメール地獄から自分を開放する方法、ツイッターやニュースの流れから身をひくことなどに触れ、その次の章では多すぎるモノやコミットメントから自分を開放する方法、そして最終的に情熱を感じる一つのことに力を集約することで生産性とクオリティを上げることについて触れています。

本自体は無料で提供されており、Seth Godin や GTD の David Allen さんへのインタビューを含む完全版が有料で提供されています。一種のフリーミアムモデルですね。

多少不満に感じるのは、本の内容が「シンプルに生きるにはどうすればいいか?」という問いに対して「答えはシンプルに生きること」と同語反復的になっているところが少なからずある点です。それがなかなかできない人にむけてのガイドブックというよりは、簡単化のモデルケースを提示することで考えるヒントを与えてくれているというほうが正しいでしょう。

でもここで提示された問いは有効に利用することができます。

  • モノが多すぎるせいで失っている時間はないだろうか?

  • 「有効な仕事をしよう」ではなく「もっとたくさんの仕事をしよう」という呪縛に陥っている場所はないだろうか?

  • これらのうちで、手放しても問題のないものはないだろうか?

忙殺という言葉の通り、忙しさで人生が手からすり抜けていく感覚をもっている方は、その連鎖から開放されるヒントを得られるかもしれません。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。