abrAsus「薄い財布」で2週間過ごしてみた

「とっておきのライフハックがあるんだ。知りたいかい?」

Evernote オフィスにいったあとでいっしょに食事をしていた CEO の Phil Libin さんがそういって取り出したのはあきれるくらい薄い財布でした。通常ズボンのポケットにいれるような二つ折りの財布ではなく、観音開きになっていて薄いくせに十数枚のカードをいれることができるものでした。

「財布があまりに厚いのは嫌だけど、中身を減らすのも嫌だ。だからずっと良いものを探して財布を減らすことにしたんだ。いいだろう?」

と、Phil が楽しそうに話すのがわかるくらい、本当によい財布でした。残念ながら大量生産は不可能な製品らしく、くわしくは聞けなかったのが残念。

abrAsus 「薄い財布」

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そんなことを忘れかけていた先日、「保存するメモ帳 abrAsus のテンプレートを作ってみた」という記事を書いたあとで、同じ abrAsus ラインナップの「薄い財布」「薄い名刺入れ」もいただいてしまいました。太っ腹すぎる…。

とはいえ使ってみなければ真価もわかるまいということで、この財布だけで2週間を過ごしてみました。その結果便利な点と注意しなければいけない点がみえてきました。

Phil のもっていた財布とは違い、abrAsus「薄い財布」は二つ折りの普通の財布です。しかしどうして薄いかというと、お札をいれる部分をフラップ式にすることで皮の重なる部分を減らしているわけです。

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コイン入れにも工夫があり、無駄に大きなスペース作るよりもきっちりと硬貨をならんで入れるようにしてあります。しかもこのコイン入れの部分が二つ折りにした財布の留め具の役割を演じている。これはよく考えたものです。

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使ってみた感触はなかなか素晴らしく、ふだんは財布がポケットにはいっていることを忘れるくらい軽く、存在感がなくなりました。この大きさでカード類は 3, 4 枚入りますし、SUICA などの IC カードも財布から出さずに利用できました。硬貨入れはたしかに小銭が多くなると入りきらないのですが、SUICA や電子マネーを活用している人向けに作ってあるという印象でした。

一つだけ問題があったのは、お札を入れてある部分です。フラップで押さえてあるがわの逆は財布の皮に挟まれているのですが、この奥の部分に糊が残っていないかだけご確認ください。

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糊が残っている状態であまりにここにお札を押し込むと、まるで製本されたようにお札が取り出しにくくなります。これに気づく前に、一度だけですがお札のかどを小さくちぎってしまいました(笑)

とはいえ、財布という身近なものを創意工夫でより便利なものにしようとしているスタンスがなかなかよいと言えるのではないでしょうか。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。