平野さん、プレゼンに強くなる「声」のだしかたを教えてください! (+合同イベント告知!)
実は私は「声」に弱点をもっています。
昔は授業でふたコマ連続でしゃべることもありましたし、いまでもイベントなどで話したりする機会が多いのですが、2時間も声を出した日は喉が痛くてしょうがなくなり、悪くするとそのまま熱を出して寝込んでしまいます。
声の質にも悩むことがよくあります。たとえばプレゼンの結果を動画などでみると、妙にくぐもった声になっていたり、逆にマイクにノイズをたくさん吹き込んでいてがっくりということもあります。
実は先日、「できる100ワザ ツイッター 」のうちあげで、声優・ナレーターなどで著名な平野文 (@hiranofumi)さんにお会いするという貴重な機会がありましたので、そんな悩みを聞いてもらいました! ずばり、プレゼンに自信をもつ声の出し方ってあるんですか?
なにをおいても「ゆっくり話すこと」
平野さんの答えは**「なによりも、ゆっくりと話すことですね」**でした。
声の質そのものは複式呼吸による発声法を学んだり、声帯の筋肉を鍛えるなど、ながい時間がかかるのだそうですが、即席でできることがあるとしたら、まずはゆっくりと話すことなのだそうです。
たとえばプロのナレーターはペースを決めるための「間」を自在に操ることができて、平野さんもテレビ番組「平成教育委員会」のナレーションをあらかじめ吹き込む際に、その場にいないゲストが「へえー」「おおー」と合いの手をいれるタイミングと間を予想して吹き込んでいるのだそうです。逆にいえば、それができなくてはプロではないわけです。
ふだん会議などでおこなうプレゼンでは、聴衆はいちいち「へえー」などと口にしてはくれませんが、黙ったままの聴衆の頭のなかにも、そうした「間」の時間はあります。平野さんがおっしゃるには、「声から声につないで、間をつぶしてしまうと、聞いてる側も受け取れなくなる」のだそうです。
同席していたみたいもん!のいしたにまさきさんも、「ゆっくり話すと、自分の声が聞こえるんですよ」とおっしゃってました。「自分の声が聞こえてくると、自分がどういうふうにそこに立っているか自分で見えてくるんです」なるほど、なるほど。たしかに「自分の声が聞こえてくる瞬間」は経験したことがあります。
ゆっくりとなかなか話せない人は、途中に「黙っていても伝わるスライド」を用意したり、あえて説明する必要のないスライドを用意して時間調整をするのがよいのだそうです。また、声がくぐもってしまったり変質するのは、マイクと本人の声との相性があるので、素人でもマイクチェックを行って、その日の設備に最適なマイクと口の距離、持ち方、声の出し方を研究するのがよいのだそうです。そうか…相性があるんだ…。
それでもスピーチに間をいれるのが怖い人にむけて平野さんからアドバイス。「話し手が気にするほどには、聴衆は『間』の長さを気にしていないんですよ。話し手の3秒はとても長く思えますが、聞いてる側には一瞬なんです」
声の不在という「声」
声のことをうかがったら、「間」、つまり声の不在の時間について答えが返ってくるのは意外といえば意外だったのですが、ひるがえってそれが自分の「声」を作ってくれるというのがなかなか深いなあ、と思いました。
それはプレゼンをしている間「自分」を忘れないということでもあります。**「間」をつくりだすことで、自分の話を忘れない、自分のペースを忘れない、自分の表情を忘れない。つまりは自分がなぜそこにいるかを忘れない。**こうしたことを全て含んだ意味での「ゆっくり」なんだなという具合に納得できたのでした。
新幹線で旅をしていると、風景は窓のなかで置き去りにされてゆくように流れ去っていくので、通過はしていてもその「場所」にいた気がしないものです。プレゼンでも同じように、ちょっとでもペースを乱して速くなると本来の自分の「声」が置き去りになってしまうのでしょうね。
「声の魔力」&「できる100ワザ ツイッター」出版記念合同イベントだっちゃ!
打ち上げもかねて相談をしていたのがこれ! なんと平野文さんの新刊「声の魔力 幸せになれる声レッスン 」と「できる100ワザ ツイッター 」の合同イベントです。
日時:2010年3月18日、13時スタート 登壇:平野文、コグレマサト、いしたにまさき、堀正岳(バーチャル)
わたしも新刊「声の魔力」をいただいたのですが、「声の出し方」「声が人生を変える」というテーマの女性向けの書籍で、いままで触れたことのない情報がたくさんあって帰り道に一気読みしてしまいました。
イベントの内容は UStream される予定ですので、のちほどツイッターなどで告知する予定です。私は残念ながら別件の用事がありますので会場にはいないのですが、ちょっとイレギュラーな形で参加させていただく予定です! どういうことって? キーワードは「声」ですよ!
p.s.
こちらでもイベントの詳細を紹介していますのでどうぞ!