Evernote日本語化とハンドブックのリリース
すでにご存知の方も多いと思いますが、3月3日に電撃的に Evernote の日本語化が発表されました。今回の発表の骨子は:
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Mac OS X も含むクライアント全ての日本語化
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日本法人の設立を3ヶ月で
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Canon などとの企業提携
で、画像内の文字認識などは今後3ヶ月で準備されてゆく予定になっています。
Evernoteハンドブックもリリースしました!
これに先立つ3月2日には、先日告知しました「Evernote ハンドブック」をなんとかリリースできました。私もあまりに疲れはてて、ブログの更新が完全に遅れてしまったのですが、今日はこの本の裏話を紹介したいと思います。
実はこの本、去年の11月頃には共著者であるシゴタノ!の大橋悦夫さん、ライフハック心理学の佐々木正悟さんと何度か相談をして、秘密裏に計画をすすめていました。この時点で、すでに「eBookであること」「アップデートが行われる本であること」は決まっていました。
12月に Evernote 本社を訪問したのも、実はこの本の企画を説明し、了解を得るためでした。Evernoteの CEOである Phil Libin 氏をはじめ、多くの関係者が非常に暖かくこのプロジェクトを支援してくださったおかげで、プレスリリース前に形にすることが可能になったのです。
執筆・編集・組版!
この本は、執筆している著者が自ら編集・組版まで行っているという特徴があります。とはいえ、私は TeX のような組版システムには昔から興味があったものの、実際の本作りはまったくの素人です。
きっとプロだったらさくさくと仕上げるであろうページも、私には一つ一つが勉強で、多くの手数を必要としました。そのすべてを本業が終わった後、子供を寝かしつけたあとの数時間に凝縮していましたし、さらに「できる100ワザ・ツイッター」の執筆も同時にしていましたので、結果的にブログの更新が滞ってしまいました。いやもう、二度とこんな流れで仕事はしません。誰にもおすすめしません。死んでしまいます(笑)
しかしその結果として、それなりに見ることができる本ができあがった気はします。でも今後さらに組版のテクニックを学につれて、よりよい本にしてゆくつもりです。
次は…?
「Evernote ハンドブック」は進化する本です。すでに最初のアップデートにむけた改訂作業が背後では始まっていますし、その後のアップデートのスケジュールもおおよそ決まっています。
すでにいただいたフィードバックにはたとえば「iPhone でよみやすいように見開きではないPDFの提供を望む」や「このテーマでの執筆をお願いする」といったものから、たくさんのバグレポートが届いています。
これらに一つ一つ対応してゆくのが、まずは最初のアップデートの作業になります。本というよりも、iPhone アプリのようなものだとお考えください。一度購入すれば、その後のアップデートはフリーになるわけです。
こうしたビジネスモデルにはいろいろな意味があります。出版社・編集プロダクションと著者との関係に修正を迫るものでもありますし、媒体としての本の形を変えるものでもあります。
でもなにより、今回の試みをした本当の思いは、私のような「ただ、Evernote が好きなだけ」のブロガーが、好きがこうじて本を作ることができるということを、実際に示してみたかったというのがあります。そして、きっと多くのコンテンツをもっているひとりひとりの人が、この出版モデルに興味を持って、試してみるようになる。そんな時代の変化の先駆けになることができたらいいな、と思ってやっていました。
まだまだその試みは始まったばかりです。よろしければ、ぜひその未来を一緒にご覧になりませんか?