GTD の風を感じるための6つのパースペクティブ

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風は自由かというと、そうでもありません。

気象学は、地上付近の風といわゆる自由大気と呼ばれている上空の風とは、互いに関連しつつも同じ向きを向いているわけでも同じ強さで吹いているわけでもないことを教えてくれます。しかしその関連の仕方は一定の物理法則に支配されていて、上空の風が地上の風を支配し、地上が上空に影響しというやりとりが常におこなわれています。

なんでこんな話題をするかというと、これが人生における「長期的な方向性」と「短期的な義務」と似ているからです。

GTD Times に「パースペクティブはどのように今のアクションを左右するか」という記事がのっていて、GTD にもこうした長期ビジョンを管理する仕組みが組み込まれていることを再考させてくれます。

GTD での6つのパースペクティブはまさに風と同じ、高度で表現されます:

  • 50000フィート: 人生の目的

  • 40000フィート: 3−5年のビジョンと戦略

  • 30000フィート: 1−2年のビジョンと戦略

  • 20000フィート: 焦点をあてるべきことがらと責任事項

  • 10000フィート: 現在のプロジェクト

  • 滑走路レベル : 現在のアクション

問題は、あのメールにフラグを立てて、このタスクに「緊急」と丸をすることが、どのようにして 50000 フィートレベルの人生の目的と直結するかという点です。ともすれば、すべてのパースペクティブで明確な答えをもった上でアクションを起こすべきだという考えに陥りがちかもしれませんが元記事でもそんなことは勧めていません。元記事より:

大事なことは、高い優先順位を与えたものにちゃんと「次のアクション」が定義されていることと、状況が変化した際に優先順位も柔軟に変化させる用意があるということです。(中略)長期的なビジョンや方向性が把握してあれば、次に何かアクションの優先順位を決めたいと思った時にそれが導いてくれるはずです。

言い方を変えると、「人生の目的」が定義してあるかどうかは、手元に届いたメールを今この瞬間に開くべきかどうかという「滑走路レベル」の事柄に直接関係しません。しかし「メールばかり相手にしている生活」を改めるためのモチベーションとしては利用できるということです。

これは風でいうなら、人生の風が西風なのに、手元ではいつも東風というように矛盾したことをしているなら、週次レビューのときに捉えて何が修正できるかを検討すべきだということですね。

この GTD の「コントロール」と「パースペクティブ」の話題はけっこうわかりにくくて、フォローアップとして執筆された “Making it All Work” を読むまでは理解しづらかった面があります。

週次レビューでどの高度まで上昇してタスクやプロジェクトを収集していますか? 手元でやっていることと矛盾が生じて修正しなければいけなかった経験はないですか?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。