GTD でなぜ「頭を空にする」のが難しいか?
Why things crawl back into your mind | GTD Times
GTD のよいところは、「頭を空にしておく」ことで扱うべき情報を減らし、次にやるべき事だけに集中する点です。
しかしこの、「頭を空にする」ことこそが一番難しく思えることもよくあります。たとえば、ちょっとした予定や、「やろう」と思ったことなどをメモし忘れて予定が先延ばしになる程度ならまだいいですが、「何を忘れているのかを忘れてしまった」という状態にまでなると困ったことになってきます。
GTDTimes でしばらく前に「そもそもなぜ空にしたはずの頭にものごとが忍び込むのか」という話題を扱っていて、基本的には 1) 十分明確にしなかったことと、2) レビューが足りていないこと、の2種類が残りがちというという点を指摘していました。
この二つはなるほどそうだろうな、とは思うのですがむしろ注目したのは出だしの言葉:
And what’s amazing to me, as easily as the brain will hold on to that stuff, it will just as easily let it go. It’s not a strong fighter if it trusts I will process, organize & review what I’m collecting.
私がいつも驚くのは、脳はその「モノ」にしがみつく傾向がある一方で、それをたやすく手放すこともあるという点です。その「モノ」が集約される場所が明確で、あとのしかるべき時期にそれをレビューし、処理すると信頼している限りにおいては。 システムへの信頼があれば、頭脳はむしろすすんでその記憶を手放して外部のシステムに預けてくれる、というのは調子の良い時などに感じることのある感覚だったのでなるほどと思いました。
つまり GTD の習慣を強固にしたい人は、システムに対する信頼性を上げるためにも**「入れる場所」と「レビューする時間」が決めてある**ことが重要な前提条件になるのだといえそうです。
たとえば OmniFocus や Evernote といったツールを使っている人は、まずはそのツールの機能がどうであるかというよりも、それを十分に長く使うことで「モノ」を安心して入れやすくなるような土俵作りをしておく方が、頭脳が記憶を手放しやすくなるということになるはずです。
このあたり、今日出版する「iPhone情報整理術」 でも触れた点ですので、iPhone でタスクを処理しているという方はぜひ参考にしてみてください。