1Password for iPhone に Pro が登場、Windows ユーザーにもうれしい機能

1Password

ふだん 20 文字以上の英数字と記号の混じったパスワードを 200 個近く維持していますが、1Password を使っているおかげで、パスワードを手で入力することは 99% ありません。

地味な話と思われるかもしれませんが、次から次へとウェブサービスを飛び移るときにこれがどんなに時間を節約しているかは見当もつきません。

でも iPhone では話が違います。1Password Touch アプリも確かに便利で重宝したのですが、Safari との連動は完璧とはいいがたく、コピー&ペースト機能もありませんでしたので、あの小さいキーボードでパスワードを入れなくてはいけないこともしばしばでした。「おっと間違えた。え? 確かにちゃんと入れたのに! Grrrr 」

そうした状況も、先日の iPhone OS 3.0 の発表にあわせて登場した1Password Touch Pro で解消されつつあります。主な新機能として:

  • iPhone OS 3.0 の機能を使ってパスワードをコピー&ペーストできるようになっています。もちろんパスワードだけでなく、クレジットカード番号や、秘密のメモからのコピーもできますので、パスワードだけでなく、そのまま見られたらこまる文章の一時保管場所としても利用できます。

  • iPhone 上の Safari にブックマークレットを一つ付け加えるだけで、「パスワードを必要としているサイトから 1Password に直接飛んで → パスワードをクリップボードにコピー → 元のアプリに戻って入力」という流れを作り出すことが可能です。完璧とはいえないかもしれませんが、十分便利です。

また、1Password Pro、普通の 1Password の両方に追加された機能として、モダンブラウザでパスワードを閲覧できるバックアップ & リストア機能があります。

1Password の「More → Settings → Backup」を選んで指示に従えば、 iPhone 上で作成したパスワードをWindows や Linux 上のブラウザでもセキュアに閲覧できるようになります。逆方向のデータの取り込みはできないみたいですね…デスクトップ版の意味がなくなるから当然か。

Pro か否か? 値札に混乱も…

WWDC 直前に 1Password touch を手に入れようとしていた人は、もともと無料だった値札が $4.99 に変化していたのを見たかもしれません。一方で、機能にそれほど違いのない “Pro” のバージョンも登場して「???」となってしまったユーザーもいたようです。

昨日開発元のブログでどうしてこうした混乱がみられたのか説明があったのですが、ようするにビジネスモデルの見直しと、1Password touch Pro の発表を OS 3.0 の発表に間に合わせるために一部の機能の実装を見送った結果だそうです。

開発元では値段や機能の混乱について謝罪した上で、本来 $14.99 で売るはずだった 1Password Pro を現時点では $5.99 (700円) にしたうえで、将来計画されている機能が実装された時点で値段を上げることにしたそうです。

購入後のアップデートは無料なので、今買うなら 100 円多く払って Pro にするのが断然お得ということになります。

それにしても iPhone の話題が続いていますね。金曜日の iPhone 3GS の発売にむけてそわそわしているということでしょうか。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。