[3週間チャレンジ] 新しい習慣で自分を「共鳴」させよう

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まだ子供で、自分の体がお風呂よりもずっと小さかった頃のことです。空想がちな少年にみられる豊かな想像力のなかで、自分は巨大なバイキング船を漕いでいて、オールに見立てた手を水面でぱたぱたと振り回していました。

すると気づいたのが、手をある一定の速さで動かすと風呂の水全体が手の動きに次第に同調して、大きなうねりになるということでした。

大きな波になった風呂の水に負けないように手を同じペースで動かしてさえいられるなら、水は風呂桶を越えて流れ出しそうな勢いでした。もちろん、この時点で大きな水音を聞きつけた親の叱り声が飛んできて、いわゆる固有振動と私の最初の出会いは終わったのでしたが。

小さな力でも、それを早過ぎも遅すぎもしない、ちょうどよいペースで繰り返したなら、大きな共鳴が生まれるという現象は、そうした子供時代の印象も助けていつも私を魅了します。そしてこれは、人が習う「習慣」にも当てはまるのです。

  • 速すぎないこと: 早く体重を減らしたいと思っていきなりたくさんの運動を始めたとしても、2,3日後に筋肉痛でペースが崩れるか、悪くすれば怪我をしてしまいます。自分に共鳴を起こすためのペースは、けっして速くはないのです。

  • 遅すぎないこと: とはいえ、今日1万歩歩いて、次に1万歩歩くのが1ヶ月後だったら、1滴のインクをコップ一杯で薄めているようなもので何も書けはしません。最低でも「ペース」を感じ取れるだけのスピードが求められます。

  • 一定の小さな力を加える: 共鳴は力が強いから起こるわけではありません。崩落の映像が残っているので有名なTacoma Narrow 橋は、なにも重機でたたかなくても、風との共鳴だけで崩れ落ちたのでした。この「ちょうどいい力」を見つけるのが、習慣形成における「効果」と「フィードバック」の役割です。ようするに、ちょうどいい手応えと、ちょうどいい達成感を調節するということにあたります。

「習慣」というとなんだか克己心や努力や根気といったものが思い出されてしまいますが、もうちょっと理系的に「共鳴」といえば、それは自分にとってちょうどいい「小さな習慣」をただ繰り返し繰り返し愚直に適用することで自分が突き動かされずにはいられなくなるという状態のことではないかと思うわけです。

4月の「3習慣チャレンジ」では mixi のコミュニティに大勢の方が「宣言」を書いてくださいましたが、その後の追跡が難しいなどの問題点も見えてきました。また、携帯電話のメールアドレスがないので mixi に登録できない人もいて不公平な感じがしました。

そこで mixi のコミュニティはそのまま「宣言」「質問」「おしゃべり」の目的のために続ける一方で、毎日の進捗を報告するために Twitter に @3wk というアカウントと、FriendFeed に「3週間チャレンジ」のグループを作成しました。ちょっとややこしいですがこんな使い方です。

  • mixi のコミュニティか、Twitter で @3wk 宛、あるいは FriendFeed グループで直接コメントするなど、どの方法でもよいですが、次の3週間、つまり5月末までにどんな「小さな習慣」にとりくんでみるか宣言して下さい

  • mixi でゆるりと報告したり会話するのもよし、@3wk あてに進捗を報告したり、FriendFeed で毎日の進捗を報告するのもよいでしょう。FriendFeed の方だと個人個人の報告に対してコメントを加えたり、Fav を一瞬で入力できるので、小気味よいかもしれないです

  • FriendFeed のグループは @3wk あてのつぶやきを自動で拾い上げるように設定されていますので、みなさんのつぶやきは自動的に FriendFeed に公開されます。Twitter の流れを離れてコメントをしたり、ディスカッションをする場合はこちらを使えます。

うーん。このあたりの連携や使い方をちゃんと理解していないので、これが最適な運営方法なのか確信がもてませんが、とりあえず見切り発車でやってみたいと思います。改善点などソーシャルメディアの識者の方に教えていただけると嬉しいです。たとえ参加者が自分だけでも、自分の進捗をまったりとつぶやきつづけますよ。

ゆっくりとした小さな共鳴から、やがて自分が大きく変わってゆく。この感覚は何度味わっても楽しいものです。というわけで今月の私の習慣は「2000文字の原稿を書くこと」です。無謀かな…。

皆さんのつぶやきもぜひ待っています! Happy Habits!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。