目当てのフォルダを一発で見つけるのに使える Tags
ソーシャルブックマークや、Flickr などのサービスですっかりおなじみになった「タグ」付けですが、これをファイルやフォルダにも応用してファイルの整理をしやすくするための Mac のツール、Tags 1.1 が Daring Fireball で紹介されていました。
ファイルやフォルダはもちろん、メールや、ありとあらゆるファイルにタグをつけて検索できるようにしてくれる、なかなか便利なアプリケーションです。
しかし、ただ闇雲にタグをつけても検索はあまり便利になりませんので、それについても試してみて考えたことを書いておくことにします。
Tags の機能
Tags はファイルそれ自体にメタデータとしてタグを記憶させるツールで、任意のファイル、フォルダ、メールであってもタグ付けできます。
Quicksilver のプラグインにも似たようなファイルにタグ付けをするものがありましたが、こちらが Spotlight コメントにタグを記録するのに対して、Tags はファイル自体のメタデータにタグを記憶させているみたいです。
Spotlight からも検索可能ですので、タグ付けしたファイルやフォルダは、「tag:事務書類」といったように検索できて非常に便利です。
タグはファイル自体にくっついているものですので、このファイルを別の Mac にコピーしたとしても、タグはちゃんと保存されています。
でもファイルにタグ付けって意味あるの…?
しかしファイルにタグを付けられるというのは一見便利なように見えますが、デスクトップ検索がこれだけ高機能になった今では、注意して使わないとあまり意味をなさないこともあります。
たとえば「しばらく前に作った会議の PowerPoint ファイル」を探しているなら「会議 kind:Presentation」と Spotlight 検索するだけでたいがいヒットしますので、ファイル名で判別出来る情報をタグにしたり、プレゼンファイルに「プレゼン」というタグを付けたところでほとんど意味はありません。
つまり「会議議事録」と書いてあるファイルにわざわざ「議事録」というタグを付けるのは、一匹一匹の犬に『犬』とわざわざ名札をつけているみたいなもので、見ればわかることに対して無用な苦労をしているわけです。
ではタグはどういうときに効果があるかというと、当然といえば当然なのですが**「ファイル名」「ファイルタイプ」から推測できない情報を付加する場合にのみ意味がある**ということが言えます。
私はふだんフォルダ名に日付を必ずいれるようにしていますが、それはいずれそのフォルダが「完了」のフォルダに格納されるときに一切整理整頓を気にせずに放り込むだけで大丈夫にするためです。
人間の記憶は時系列方向には非常に強いので、「あのときのあの仕事」と探すのは非常に楽です。また、フォルダ名もヒントになりますので、ふだんは「2006 年頃の議事録」といった検索だけで目当てのものがすぐに見つかります。
Tags はここに第三の軸を与えてくれます。たとえば非常に多くの会議、議事録、企画書、出張書類、事務書類を作り出す「Project A」があったとして、このプロジェクトに関連したすべてをこのプロジェクト名でタグ付けするようなときです。
こうすると、時間方向とファイル名だけからも収集できない情報を一括して検索することができるので、けっこう重宝します。Tags は Spotlight に対応していますので、闇雲に「事務書類」と検索をしなくても「tag:ProjectA 事務書類」という具合にすることでヒット数を狭めることが容易にできるわけです。
Tags はこうした勘どころがつかめないとあまり便利さを享受できなさそうなツールですが、いったん基本のタグが 10 種類程度だけでも行き渡れば、大きな力になってくれるでしょう。
Windows Vista にはファイルのタグ付け機能がすでにあるので、Tags ほど便利ではないにしても同じような考え方でファイル検索を楽にすることができるかもしれません。
Tags はインボックス・ゼロ、ならぬデスクトップ・ゼロの状態を保つためにも利用できそうなツールです。