「今日はここまで!」Moleskine Volant ノートで記憶を外部保管する
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「mehori さん。あなたが出してくれた、あの温暖化と降水強度の図はたいへんけっこうですから、次はこんなものをだしてください」 「は、はい…」 「で、あの北極での気候変動の解析もたいへんけっこうですから、南半球でもやってください」 「はあ…」 「そしてあの植生帯の変化ね! あれも面白いなあ。あれを使ってこんなことをしてみてはどうかな! ああ、あとねえ…」 「(だ、誰か助けて!)」
伝説の先生との毎日のやりとりはこんな会話が中心です。
先生が来て以来、毎日がこんな状態なので、それまでかかえていた仕事に加えていくつも宿題が積み上がって、くらくらとしています。一つの仕事をしていると、別の仕事がどうなっていたのか記憶が飛んでしまって、なかなかはかどらないのです。
苦肉の策ですが、**「一つ一つの作業に対して小さな手帳を用意して、それぞれの作業が止まっているところで全ての記憶をダンプしておく」**という形で、自分の作業を外部記憶にするという方法をとっています。先生から飛んでくる作業の一つ一つが最低でも修論レベルですから、こうでもしないと頭のバッファがあふれかえってしまうわけです。
この作業に利用しているのが、美しい色調がお気に入りの Molskine Volant ノートブックです。XS サイズの方ではなく、Pocket を利用しています。もちろんこんな高価なノートを使うことはないのですが、規格化されていて、色調で区別できるのは便利ですし、「記憶の保管庫」が美しいと自分を大切にしている感じがしますので、あえてこれを選んでいます。
利用するにあたっては、必ず一つの仕事に対して一冊を割り当てています。なにかしらの作業をしていて、手を止める時間がやってきたら、見開きのページを利用して、その段階におけるの以下の情報を出来る限り詳細に書き留めます。
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何を目的として、何の作業をしているところだったか?
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問題が生じて手を止めたのか? それだったら、懸案事項はなんだったか?
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次に何をするつもりだったか? どうしてそれをするつもりだったのか?
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特に編集中のプログラム、ファイル、フォルダがあるなら、その名称も書いておく。
こうした情報を書き留めたら、可能な限りそれまでやっていた作業については記憶から消し去るようにつとめます。
そうしないと、別のプロジェクトに移ったときに、先ほどまでの作業が脳裏にちらついて作業がはかどらないからです。
現在この手帳は机の上にとくに大事な作業用に4つ置いてあります。でもさらに4つ増やさないといけなさそうです…。猫…! 猫の手はどこだ!