整理整頓中の混乱をふせぐ、「付箋」整理術のすすめ

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情報カード、モレスキンなど、ライフハッカー7つ道具を挙げるとするなら、もちろん「付箋」は外せません。

年度末恒例の消耗品購入のときなどには、情報カードを千枚、お気に入りのペンの替芯は20本分、付箋にいたっては30束くらいそろえてしまうのですが、けっこうな勢いで使い切ります。というのも、書類や、モニターの端だけでなく、何にでも付箋を貼付けるクセをもっているからです。

この二ヶ月ほどのドタバタで、書斎の本棚と机の周囲は膨大な紙くずや、本の積み上がった雑然とした空間になっていました。そこで三連休の初日はとにかく、この書斎をなんとかして、手の届く範囲に、そして頭のなかに余裕を生み出したいと思って整理整頓を始めたのですが、ここでも「付箋」が大活躍です。

例1:細かいものにいちいち貼る

たとえばこの封筒のように、「すぐには捨てられないけれども、あるアクションをとったら捨てられる」というものは、付箋をはって、そこに GTD でいうところの Next Action を書き込んでおきます。

「○○をしたら、捨てる」「オフィスに持ち帰って、キャビネットにしまう」といった行動が書かれています。

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例2:物にもどんどん貼る

生成整頓としていると、たいてい時間制限がありますので「見た目の片付け」と「ちゃんとした機能別の片付け」の妥協をしないといけないときがよくあると思います。

そんなときはよく「小物を全部この箱にいれて封印!」などという「とりあえず整頓」をよくすることになりますが、こんなときにも特にアクションが付随している小物には付箋を貼っておき、あとでこの箱をちゃんと整理するタイミングで何をしたいのか記憶を書き込んでおきます。

もちろん箱自体にも付箋を貼っておきます。「文房具の小物、一部不要品、未整理品含む。要検討。10/10」といった感じにです。

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例3:途中の行動、次に予約した行動を全部付箋にしておく

整理をしていると、「あ、あれもしなければ」「確かあそこにこれがあったはず、探さないと」といった具合に行動が分散しがちですので、そこら中にいまやりかけのタスクが何なのかを付箋で貼りながら整頓を進めたりします。

たとえば文房具の入っている棚を整理していて、ふと机の方にもどらないといけないと思ったときには、棚に次のアクションがかかれた付箋を貼っておきます。

そうでもしないと、いつまでも行動が脱線して物が部屋一面に広がってゆくだけで、なかなか収束しないからでもあります。

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付箋を貼る先は書類だけでなくて、本に貼ってもいいし、物に貼ってもいいし、家具に、マウスに、即席の ToDo リストとして机の上に貼ってもよいという具合に、発想を広げてみると、いろんなところに貼って、記憶のかわりに、「次の行動」を覚えておいてもらうことができます。

10分間しか記憶を保てない主人公を描いた「メメント」という映画がありまして、彼も「記憶」を「記録」にするために、周囲に大量のメモを散りばめていましたが、付箋整理術がうまくいってるときには、同じように付箋が周囲に星のようにちらばっていて、それを一つ一つ拾ってつぶしてゆくことで整理ができていきます。

テクニックというのにも満たない、小さなテクニックですが、整理整頓が苦手という方はぜひお試しください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。