タイムアウト・ルールで怒りを制御する

evil-lemon.jpg The happiness of stopping my daughter’s tantrums. | The Happiness Project

昨日は家内が用事で駅まで出かけていたのですが、帰ってくると何やらプリプリと怒っています。聞けば私の好物の「赤福」を買いにいってくれたのですが、売店で店員とのやり取りでちょっと嫌なことがあったとのこと。

「○カシマヤのポイントカードが他社クレジットカードではポイントが付くけどギフトカードの支払いではポイントが付かないとか、納得のいく説明をしてもらえなくて…」

どうやらポイントが付かないことにお怒りのご様子。私にはほとんど暗号のような話だったのですが、ここはフムフムとうなづいておき、肝心の要点へ。

「で、僕の赤福は?」

「イライラしたから、結局買ってこなかった」

「…!」

怒りを流し込む運河

イライラする気持ちは大人でもなかなかおさえ難いものですが、子供だとそれはなおさらです。

ちょうど Happiness Project で著者が小さな次女の癇癪をどうやって鎮めるのかを紹介している記事を読んでいて、自分も同じようなしつけをうけた覚えがあるなあ、と思い出していたところでした。

それは「1,2,3 タイムアウト」ルールと呼ばれているもので、まるで刑事ドラマのように「3つまで数えよう、それまでに○○しなければ△△になるぞ」と静かに伝えるというものです。たとえば:

「1…2…3、はいタイムアウト。5分間トイレに入って頭を冷やしなさい」

という具合に、必要以上の感情を込めず、ルールに従って処理するという方法だそうです。子供の頭を冷やす以上に、親が感情的になって子供に声を張り上げる必要がなくなるというメリットもあります。

これはホッケーの試合でラフプレーをした選手に対して与えられる Five for Fighting ルールと似ています。ラフプレーがあったら、すぐに小さなブースに放り込まれ、5分間頭を冷やさなければいけません。この5分のおかげで選手は怒りを鎮め、ゲームへの集中を取り戻せるのです。

この方法は 100 % 効果があるわけでもありませんし、すべての子供・親にとって良い方法とはいえないと思いますが、大事なのは怒りが生じている状況でルールに従ってそれを処理する、という点です。

怒りというのは、もてあました感情のやり場がなくて溢れ出す川の氾濫のようなものです。不当な出来事に対して怒りがわくのは当然の感情ですので、それをおさえる必要はないと思いますが、怒りが無軌道な形をとらないように自分なりの「感情の運河」を作っておくのは有効です。

しかし、この場合はどうでしょう。イライラした家内にタイムアウトを宣告すべきなのでしょうか? それとも赤福に我を失いそうになった自分にでしょうか?

(追伸)

家内の名誉のために付け加えますと、ちゃんとその後おいしいスコーンを焼いてくれて失点を十分取り返してくれました。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。