iPhone G3 と Mobile Me がもたらす未来?

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私は単に Mac ファンというだけでなく、未来を切り開いてくれる新しいツールはためさずにはいられません。そんなわけで、ネット中を駆け巡っている iPhone G3 のニュースと、Apple の新しいウェブサービス Mobile Me のニュースに、少年のようにワクワクとしています。「7月11日には iPhone を必ず手に入れるぞ!」と今から気合い十分です。

ニュース以外にもさまざまな考察がネットを錯綜していますが、その中でも重要だと思ったのが Daring Fireball の John Gruber のこの記事です。最後の一段落:

携帯電話としての iPhone 自体はもはや問題ではない。一年後には、iPhone G3 はまた新しい機種にとってかわられるはずだ。むしろ重要なのはプラットフォームで、それが [今回の安くなった iPhone と SDK2.0 で] 深く浸透すれば、これを iPhone 以外の別のプラットフォームで置き換えるのは容易でなくなる まったくその通りだと思います。iPhone 自体も魅力的ですが、「それで何が出来るの?」というところにフォーカスが変わりつつあるわけです。iPhone App Store から当面目が離せません。

43Folders では Merlin が Mobile Me がもつ可能性について言及しています。要約するとそれは、iPod + iTunes がデジタルメディアのハブになったように、iPhone + Mobile Me が、私たちが必要とする情報をより統一的に、ユビキタスに提供するサービスとして定着するのではないかという点です。

私自身は次のような理由で、iPhone の日本での登場がエポックメーキングなのではないかと妄想しています。以下妄想暴走中。

位置情報サービス 2.0

数年以内に Position Based Services は本当の力を発揮するようになるはずです。そのときには町中を移動するためのツールとして有名になった Navitime のようなサービスが林立すると思ってください。

近くの美味しいビストロ、最寄りの交番、といったいうなれば位置情報 1.0 的なサービスに加えて、近くに Twitter の友達がいないかどうか、同じコミュニティの人が利用する店が近くにないかといった、「コミュニティのもつ位置情報」の集合を利用するサービスがリアルタイムで入手できるようになったら嬉しいですね。

もっとユビキタスなウェブへ

私たちは携帯でネットにアクセスするには制限がある状態に慣れてしまった傾向があります。しかし iPhone に組み込まれている Safari はちゃんとしたモダンブラウザですので、これまではブラウザの限界故に不可能だったモバイルを意識したウェブサービスがたくさん登場することに期待したいです。

たとえば Evernote の iPhone 対応は今のところぎくしゃくとしていますが、それが iPhone ネイティブのアプリ + WebKit で置き換わる日も近い気がします。PC 上であれ、iPhone 上であれ、いつでもどこでも使用感が変わらないというのが、iPhone 以後のウェブアプリの新しいスタンダードとなってくれると嬉しいのですが。

Over the Air Sync

Mobile Me の最大の売りが、メールであれ、コンタクトであれ、カレンダーのイベントであれ、入力されるデータが瞬時に複数のデバイスリアルタイムに共有されるという push 機能であることは疑いようがありません。

うまくいくと、どの端末を使っているのか、オフィスにいるか・出先で行動しているかを問わず、私たちの手元に常に同じ情報があるという状態を作り出せる可能性があります。

もちろんこれは諸刃の剣で、常時リアルタイムで外部からやってくるメールなどに対応を迫られることでかえってストレスが爆発しないように、ユーザーの側での「情報ダイエット」がますます大事になるということでもあるようです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。