あすなろ BLOG カンファレンス「スタート × キッカケ × ブログ」

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先日からお伝えしていた、あすなろ BLOG 2周年記念イベント「スタート × キッカケ × ブログ」に参加してきました。ようやく家まで帰り着いて、みなさんのお話を反芻しているところです。

そもそもこのカンファレンスは、あすなろ BLOG で執筆している人やブロガーを中心として、ブログを通して成長するというテーマで開催されたものでしたので、会場のほとんどの人がブログを書いている、ライフハックについて知っているというオーディエンスでした。

Lifehacking.jp を読んでくださっている方も大勢いらっしゃっていて、とても感激しました。予想外に大勢の観衆に顔が緊張で引きつってしまいましたが…。

今もいろんなことを試し、ブログの力を実感しつつある2年生ブロガーとして、今回のイベントはとても興味深いものがありました。今後の成長のためにも、自分の言葉で記憶を保存しておこうと思います。

ファーストセッション:「スタート × キッカケ × ブログ」

ファーストセッションのBlueshift Global Partners 社長にして、ブログ On Off and Beyond の渡辺千賀さんの講演はとても魅力的で、私は目を輝かせて拝聴していました。

千賀さんが紹介したのは「きっかけを作り出して変化を実現する7つのルール」というもので、まさにこのブログの話題に合致するものです。以下はメモからまとめた講演の内容です。

目標とするところにいくにはいくつも方法はあるのだと思いますが、ある目標にたどり着き、今も進行形で成長している人の言葉はとても力にあふれています。千賀さんは、この方法は万人には向きませんと前置きをした上で、以下の7点を詳細に語ってくださいました。

  1. 実力発揮の場を作る: チャンスは外からやってくる。「自分が自分が」とアピールだけをするのではなく、他人のニーズをさりげなく埋めてゆくことで、今までの自分の畑の「外」に活躍の場を広げてゆき、他人の目にとまることができる。

  2. 一期一会のチャンスを掴む: こうして他人に認められ、チャンスがやってきたら、それを必ず掴むこと。変化に付随した恐怖の多くは、新しい状況に対してなじみがないだけのことなので、むしろ変化を恐れず、目の前を通りがかったチャンスには必ず乗るようにしないといけない。

  3. 前向きなあきらめの達人になる: 新しい変化を求めるなら、古いやり方、古い環境、古い人間関係とは決別できるように覚悟しておく。失敗はカウントせず、新しい成功で上塗りしてゆく。また、欠点や問題点の改善に時間を割かない。

  4. 孤独になれる: 変化は古い仲間との別れ。人の評価を気にせず、批判に耳を貸さないようにして、(無益な)他人との依存関係から自分を切り離す。

  5. しない後悔 »» やって失敗した後悔: 失敗はたいていリカバリー可能だけれども、活かせなかったチャンスは二度とやってこない。

  6. 大きな理想と小さな達成でやる気をキープ: こんな人間になりたい、こんな生き方をしていたい、といった未来へのイメージを心に強く描きながら、目の前の具体的な達成事項で自分を推進してゆく。

  7. 運の流れに逆らわない: 運がよいときは、運を利用する。運が悪い時も、活動をゼロにするのではなく、歩幅を小さくして運が好転するのを待つ。好転してきたら、また大きく出る

これは短い要約にすぎませんので、これだけでは「なんだ、当たり前のことじゃないか」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、たとえ他で聞いたことがあるようなコメントでも、すべてが千賀さん自身の血と肉を備えた言葉で語られていますので、最前列で聞いていた私は言霊の力にびしばしと打たれていました。

こう申し上げるのは恐れ多いのですが、私にはこの7つのルールが自分の胸の中にも小さく灯っているのを感じることができました。聴衆の多くの方もそれを感じたのではないでしょうか?

千賀さんという太陽のような人を前にして、私の小さな灯は大きく揺り動かされるとともに、エネルギーをもらうことができました。**孤独を恐れるな。現状を永続化するな。自分を信じて、勇気をだして、恐怖と痛みを最小限にするだけの生き方ではなく、むしろあとで後悔しない生き方をしよう。**そんな活力をもらうことができました。

セカンドセッション:「スタート × キッカケ」

「スタート × キッカケ」セッションでは、AMN でお世話になっており、tokuriki.comワークスタイル・メモというブログも書かれている徳力さんがファシリテータとなり、 株式会社マイネット・ジャパン代表取締役にして、近江商人JINBLOG の上原仁さん、世界を巡るFool on the web の美谷広海さん、キャズムを超えろ!の和蓮和尚さんの3名のパネラーからブログとキャリアチェンジという話題についてさまざまな話題が聞けました。

「ブログを通した人のつながりが、より自分の理想に近付いたキャリアチェンジや、起業のチャンスを生み出す」なんて話は、私の父くらいの世代には「騙されてるんじゃないか?」と言われてしまうくらい夢物語のように聞こえるかもしれませんが、決して珍しいことではないのだということを強く感じました。

特に上原さんが「コミュニケーションの大事さ」に言及されて、メールを素早く返すようにするのが大事とされていたのは、とても勉強になりました。私もコミュニケーションのフットワークを軽くする練習をしないといけないと常に感じていましたので、とても心に残りました。

また、こうした自分の興味あるカンファレンスは、潜在的に自分とつながりを持てる人々の集まる場所なので、そうした出会いを大事にしてゆこうという話題も、ブログと本業が非常にかけ離れている自分にとっては心強いメッセージでした。

また、ブログを続けてゆくだけで、それを誰に教えていなくても「情報に通じた人」「つながりをもった人」と周囲に認識され、 レベルアップを意識できたという話も興味深かったです。

「ライフハックツールとしてのブログ」というテーマが垣間見えましたので、これは今後追求してみることにしてみます。

ライフハック徹底討論会

3つ目のセッションはあすなろ BLOG のプロデューサーにしてチェケラ!の堀川さんがファシリテータとなってくださり、シゴタノ!の大橋悦夫さん、とりあえず、やってみる!の増田光俊さん、そして私の3名のパネラーでの「ライフハック討論会」となりました。

個々の話題についてはそれぞれのブログで触れてきたことをもう一度実例などとともに総括した内容になりましたが、心に残る言葉がいくつかあってとても楽しい時間を過ごせました。

その一つが大橋さんによるライフハックの定義、**「同じ失敗を繰り返さない、同じ成功を繰り返すための再現性のテクニック」**というものでした。渡辺千賀さんの講演と同様、この言葉には言霊を感じました。

「人は人生の大半を同じ失敗を繰り返すことで浪費する」という箴言を口にしたのは誰だったでしょうか。どんな小さな失敗でもそれをつぶして、小さな成功から大きな成功を繰り返せれば、それだけで人生は充実しそうです。

もう一つは増田さんがライフハックのことをちゃんと「ライフ(人生)のハック」と読み解いた上で、ライフというからには仕事もパーソナルも充実させないと本当のライフハックではないと口にされていた言葉です。

日本でのライフハックの受容はビジネス方向に偏っている気がいつもしていましたので、私も全く同感です。このあたりは私のブログがもうちょっとがんばらないといけないところだと反省してます。

ちょっとおしゃべりが長くなってしまって質問の時間を十分にとることができなかったのが残念ですので、寄せられていました質問事項、そしてブログを続ける5番目の点について、記事をあらためて書きたいと思います。

今回は初めて「ライフハック」 の話題でお話しする機会を得ることができ、とても感慨深いものがありました。1年前には、まさかこんなことをしているとは夢にも考えていませんでしたし、いまでもその資格があるかというと自分ではよくわからなくなったりもするからです。しかし千賀さんや上原さんの言葉を信じて、 キッカケを掴み、人の広がりを掴んでゆくような成長をしたいと、心から願う一夜になりました。

末筆になりましたが、会場で声をかけてくださった皆様、懇親会でいろいろな興味深いお話をしてくださった皆様、ありがとうございました。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。