失敗ファイル #2: 大事な物の「駐車場」を決めていなかった

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更新が滞っていて申し訳ありません…というのも、ブログの更新どころではない緊急事態が発生してそれどころではありませんでした。

今月末に結婚記念日を控えているというのに、結婚指輪を無くしてしまったのです。

事の発端からして、すでに間が抜けています。

ここ数日、「指輪を付け忘れているなあ」と思いながらも「確か机のあそこに置いたはず」という想定が先にあって、ちゃんと確かめるわけでもなく過ごしていました。それが一昨日前になってその想定の場所を確かめると指輪がなく、「おや、職場の机の上だったっけ?」と心配になり始めました。

次の日職場にいくと、そこの想定された場所にもありません。さまざまな仕事をかかえたまま、しだいに慌ててきました。

本業は科学者ですので、こうしたときにはありとあらゆる仮説をたてて、最もあり得るもの、偶然が作用しないと発生しないものと順番に当たっていきます。ここ24時間で考えた仮説の数は総数で200種を下りません。

  • 食器を洗っていたときにゴム手袋のなかに引っかかってしまった → なし

  • 財布の小銭入れのなかにいれた → なし

  • 机の上から偶然手があたって床に転がった → 床をはいつくばって探したがなし

  • 加湿器の水を加えるためにかがんだときに水槽のなかにぽちゃりと落とした → なし

  • 机のうしろに転がり、本棚と床の間の4mm のスペースに横滑りで偶然吸い込まれた → 本棚を動かしてチェック。なし。

こうした探し物にすっかりくたびれ果て、もうきっと見つからないと暗澹たる気持ちで、あきらめきれずに床の絨毯をめくったりしていたときに、ふと、ベッドの横のテーブルに小さな引き出しがあったことを思い出しました。自分では決して使う事がないので、完全に忘れていた場所です。そこを開いてみると…ありました。

ずっと必死で探していたのに、私は正解の場所のすぐ横で眠っていたことになります。なくしてしまった経緯の正解は次の手順。

  1. 夜に指がむくんでいたので指輪を外して就寝

  2. 次の日、それを忘れて職場へ

  3. 家内がベッド周りを掃除、指輪を引き出しにしまう (← これが想定外)

  4. 自分にとっての想定の場所にないので暴走開始

失敗ファイル #1 からずいぶん経ちましたし、ずいぶんとくだらない失敗ですが、戒めもこめて書いておくことにします。

すべての物に「駐車場」を

整理術のイロハになりますが、すべてのものにはそれが帰るべき「駐車場」があることが基本中の基本になります。

今回の指輪の一件は、いつも持ち歩いているけれども指がむくんだときだけ「ちょっとだけ」置いていたその隙が生んだものでした。これだけ大事なものなら、「ちょっとだけ」のためにもちゃんとした、掃除のときにも安全な「指定駐車場」を作っておくべきでした。

怪我の功名かもしれませんが、指輪を探す過程で机のうえからいっさいの装飾品、よけいな文具、カードなどを片付けてしまい、何もなくなってしまったのですが、これはこれで使いやすいのでこのままでキープしようかと思います。Inbox Zero ならぬ、Desktop Zero です。

  • すべて机で使う物は文具、計算機、コップであってもすべて「駐車場」を割り当てます。

  • 鍵、指輪、手袋、マフラーなど、常に持ち歩いているものを置くための「臨時駐車場」も設定します。

  • 一日の最後、あるいは Weekly Review の最中に、机の上がゼロになるまで「駐車場」に物を入れていきます。

いままでだってやっていたことではあるのですが、いくつかの物は「ま、このへんに置いておこう」というグレーゾーンに属していましたので、これを徹底的に排除する事を試みることにしました。小学生のうちに身につけなければいけない常識ですが、もう一度徹底しないと。

とにかく見つかってよかったです。見つかっていなかったら(家内もこのブログを読んでいるので)とても記事に書く事なんてできません。くわばらくわばら…。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。