仕事をするように趣味に生きる、"Go Pro" のマインドセット

１年前、Lifehacking.jp というドメインは取得していましたが、それを使ってブログを作ろうという考えを１年以上転がすだけで何もしていなかったころのことです。「まだ情報が足りない」「まだテンプレートが完成していない」と、もじもじとしていた私を射抜いた言葉。それが、「プロになれ」という一言でした。

AMN ブロガー勉強会のプレゼンテーションではとても舞い上がっていましたので、この肝心な、最も伝えたいと思っていたこの部分が、まるで暗号通信のように圧縮されて思うように伝える事ができなかった気がしますので、もう一度まとめなおしたいと思います。

趣味だけど、プロのように…

この話題は 43Folders の Merlin Mann がビデオブログを行なっている、The Merlin Show の第二回、Jonathan Coulton とのインタビューの中ででてきたものでした。

この Jonathan という人は元々プログラマーでしたが、音楽活動も趣味で行なっており、その趣味を「仕事」とするために、一つの驚くべきプロジェクトを開始します。それが Thing a Week という、１週間に１曲を作曲して無料、あるいは安価でリリースするという活動でした。

毎週１曲ということは１年間で52曲となります。それを調子がいい週であっても、悪い週であっても、出来のいい歌で自信があってもなくても、金曜日がくれば強制的にリリースするというわけです。

この実験によって、Jonathan な以下のようなスキルが身に付いたと述懐しています。

創造性を習慣化してしまった：このプロジェクトを実行している間は、「もうちょっとアイディアがたまったら」「そんな気になったら」というような曖昧な理由で作曲活動を後回しにできなくなった。
アイディアをキャプチャーする手段を作ることを迫られた：このプロジェクトが進行中の間、彼は携帯のボイスレコーダでアイディアを常にその場で録音し、ストックしていたそうです。
多様なアプローチをとることを迫られた：あるときは月曜から計画的に作曲できても、ある週は金曜日のギリギリになるまでインスピレーションがわかない、というようにさまざまな場合に対応する必要に迫られ、それぞれを別の仕方で解決していったそうです。

ここで Merlin が別の本を引用して、「クリエイティブであることを強制すること、趣味であってもプロのようにアウトプットを習慣化して『プロとなってしまう』のは重要だ」ということに言及しています。

この「Go Pro」というひとことが、非常におおきな印象を残したのでした。

Go Pro のマインドセット

仕事とは別に趣味をもつことは大きな生き甲斐を生んでくれますが、逆に趣味だと考えている事が成長を妨げているということもあります。この「Go Pro」という言葉は、私の耳にはそう響きました。

「まだまだ十分ではない」「自分よりももっと上手な人がいる」そう考えていてはいつまでたっても実行に移すことができないということに気づいた一瞬でもあります。

未来にむけて成長させたい趣味・夢があるなら、この Go Pro のマインドセットは大きな助けになってくれます。自分なりにまとめてみると、Go Pro のマインドセットとは以下の３つです。

自分をセーブしない：「人にお見せするほどのものではない」とセーブせずに、まずアウトプットしてみる。
アウトプットを定期的に：ブログなら定期的に投稿する事、スポーツなら定期的に試合やレースに出場する事、音楽だったら定期的に人に向けて演奏する事、などです。
Enjoy Yourself：しかし結局のところ、趣味は趣味でしかありません。趣味を仕事であるかのようにやることでプロらしい取り組み方を引き出すというところまではいいのですが、無理が過ぎて苦行になるようだったら元も子もありません。

ブロガー勉強会では、プレゼンの前半で「ブログの書き方」的な話もしなければいけないと思って Problogger と Copyblogger も紹介しましたが、本当は一番時間をかけたかったのはこの部分でした。

わたしもまだまだ Pro の領域には達していないので、こうしたことを書くのは身の丈にあっていない気がしますが、下手なりの継続がもたらす楽しみと驚きはこの１年でずいぶんと味わうことができました。そのことを一人でも多くのブロガーに伝えたい、それが今回のプレゼンの趣旨でした。

あなたはなにを Go Pro しますか？