ノートパソコンが故障...それでも損害ゼロで復帰できた方法
サンフランシスコから帰ってきました。と思ったら、機内でも使っていた MacBook が突然壊れてしまいました(泣)。仕事とブログの全てにおいて使用していたのに、時差が抜ける間もなくいきなりハードディスクが異音を発し始めて昇天。嗚呼…。
TimeMachine があるからいいじゃないか、と言われそうですが出張直後というのが落とし穴です。海外出張の間は荷物になるので外部ハードディスクを持ち歩いてはいません。そこへきてのハードディスクの故障は痛すぎます。
しかし今回は運のよさも手伝って実質損害是ゼロで復帰することが可能となりました。その理由は、ふだんのノートパソコンの使用方法にありました。何かの参考なるかと思いますので書いておきます。
理由1:じつはノートパソコンには普段からほとんど何のファイルも入れていない
実は2ヶ月ほど前に思い立って、MacBook には「そのときアクションを起こしている仕事」のフォルダしか存在しないように仕事の仕方を変えていました。
MacBook を購入したとき、あまりに便利だったので考えもなしに使っているうちに、オフィスにある iMac と MacBook との間でファイルが散らばるようになってしまい、「どっちが新しいんだっけ」とか「探してるファイルはどちらにあるんだっけ」と悩むようになっていました。ネットワーク越しの Spotlight が出来るからといって、不便なことには変わりありません。
そこで思い切りよく MacBook の方には一切ファイルをためないことにして、ほとんど全てを iMac 側に吸い上げてしまいました。仕事を行うときには USB メモリーで MacBook にフォルダを転送し、その日の作業が終わったら USB メモリーを経由してかならず母艦の iMac のデスクトップにフォルダーが戻るように習慣をつけます。
母艦である iMac は TimeMachine でバックアップされ、毎日正午に SuperDuper! でさらに別のハードディスクに自動バックアップが行われているので、いつでも3つのコピーが存在していることになります(さらに先日書いた持ち出しバックアップもいれれば4つですが、それはさすがに頻度がすくないので…)。こちらは相当に安心です。
この手法は CVS や Subversion の同じだと考えるとわかりやすいと思います。iMac から MacBook にファイルが移動されるとき、自分の頭のなかでは仕事を「チェックアウトした」と呼んでいて、出先で変更したらかならず iMac 側に「コミットする」という風に考えていました。
今回のハードディスクのエラーが始まった瞬間、運よくチェックアウトしているファイルは最新の原稿と発表予定のプレゼンなど計 65MB 程度しかありませんでした。OS が致命的に遅くなる前に、それを瞬間的に USB にコピーできたため、今回は損害ゼロとなったわけです。
理由2:高頻度ファイルはウェブ上にシンクされていた
それでも毎日のように書き換えているのが、Yojimbo や OmniFocus のファイルです。この二つはとくに毎日使う物ですので「チェックアウト」「チェックイン」という感覚がどうしても薄れるファイルです。しかし Yojimbo には日々使用するパスワード類が管理されていますし、OmniFocus にはすべてのタスクが記入されています。これをなくすと大事です。
すばらしいことに Yojimbo には .Mac を介したシンクロ機能がありますので、これで助けられました。シンクロは「毎日」行うように設定されていましたが、最後のログイン時にシンクロが起動していましたので、なくしたものは何もなかったわけなのです。また、OmniFocus は現時点では .Mac に対応していませんが、こちらのスレッドでの議論を参考に iDisk にシンクロしていたおかげで何も失ってはいません。
このほかにも TextExpander も .Mac シンクをしてくれていたおかげで操作感を失わずに済みましたし、スティッキーのかわりにネット上の Backpack にさまざまな書き込みをしていましたので、メモも失わずにすみました。
ただ、損害がないにしてもやはり実務を行っていたマシンを失うのは痛いです。失った時間と、リカバリーのための精神力も大きい。MacBookはいろんなものをインストールして使い勝手もかなりよくなっていただけに、指が一本足りないような、もどかしい状態です。早く修理から帰ってこないかな。