一歩進んだライフハックへ (3) ツールを集約する
MacBook が壊れたせいで順序や仕事の手順が狂いまくりですが、なんとか OmniFocus を自宅の引退寸前の Mac mini に導入して視界は再び良好。さて、何の話でしたっけ。
「自分のライフハック」を一歩進めるためのプラクティス集、第三回はツールについてです。いまはツールやアプリケーションがそれこそ毎日のように発表されています。 GTD ソフトだけで、iGTD、OmniFocus、TaskPaper、Do-it、Anxiety、Thinkと数えきれないほどあります。
私も新しい物好きでいろいろとためしてはみるのですが、なかなかツールを使いこなすところまでいかずに使うのをやめてしまったものがいくつもあります。
苦労しながら使っているものもありますが、道具に使われているという不毛な状態をいくらか続けたあげく「こんなことくらい、紙とペンの方が便利じゃないか!?」なげだすこともしばしばです。
タスク管理のツールの流行に流されるのではなくて、ちゃんと戦略的に考えておくことは重要です。新年に向けて自分のワークフローを見直したいと考えている方は、まずツールの集約化をしてみてはいかがでしょうか。
集約化の質問
導きの糸となる質問は次のようなものになると思います。
質問「あなたのタスクが全て集約される唯一のプラットフォームは何ですか? 」 質問「それが単なるテキストファイルや、紙の手帳を使うよりも優れている点はなんですか?」
使い方によっては「複数のパソコンで同期が簡単か?」「出先からでも操作できるか?」といった感じに自分のニーズを自問自答するのもいいと思いますが、まずは、自分にとってのプラットフォームなのか、定めてしまいましょう。
決めてしまったなら、まずはデータを全て移行することが非常に大事です。GTD に限りませんが、タスクや仕事の管理は何十という「忘れてはいけないこと」の管理になります。こうしたツールを使いこなせない最大の原因は、そのツールを信頼しきれずに中途半端にデータを預けているのが原因だったりします。
しかし逆に、管理すべきデータがすべて入力されていなければ安心して使うこともできません。ツールの真価はそこに入力されているデータの量によって下支えされていることを忘れずに、まずは新しいツールであっても3週間は全力で使用するつもりで、その期間中は他のツールには目もくれない方が慣れが早い傾向があるようです。
私はこのほどβ版のダウンロードと新年のリリースが決まった OmnFocus に全てのプロジェクトを移行して、かつアナログでも持ち歩けるようにフランクリン手帳サイズの紙に印刷できるようにしてしまいました。これでプランニングは OmniFocus 上ですいすい行い、実行するときににはパソコンがなくても OK という状態にしてあります。まずはこの状態でしつこくやってみることにします、
以上はタスク管理ツールについて書きましたが、メール、ブラウザ、拡張機能、RSS リーダー、ブックマークツールなどの一つ一つについてツールを決めてデータを集約化してゆくことが必要です。使っていないソフトや別に能率をあげているわけではない拡張機能は、目移りしないためにもとりあえずアンインストールした方が吉です。
効率化の質問
ツールをきめたら、次の質問を自分に問いかけてみます。 質問「自分はこのツールのはしからはしまで、全てを知っているか?」
質問「このツールをより便利に使うために自分のしらないテクニックはないか?」
ふだん使っているツールでも、バージョンアップのときに追加された新機能や、思いもよらなかった使い方などが隠されている可能性は高いです。
これは証明しようがありませんので印象で語るしかないのですが、忙しさにかまけてツールを表層的に使ううのと、最初の2、3時間を勉強に使ってそのツールで便利だと言われているテクニック/ハックをウェブで網羅してから使い始めるのでは、ツールと自分との親和性がぜんぜん違うようです。
このトレーニング期間をちゃんととることで、ツールが自分の邪魔になってしまうのではなく、本来そうあるべきなように、自分の力を助けてくれるようになります。
職場で同じツールやアプリケーションをチームで利用している場合は、自分が重宝しているテクニックを他人と共有してみるとよいでしょう。たいてい他の人も自分だけの効率的な習慣があるものですから、そこから学ぶことで手持ちの武器を少しでも増やすことができます。
一番よいスタートポイントは Firefox ブラウザではないでしょうか。このブラウザには数えきれないほどの隠し部屋や小道や拡張機能で実現する新しい地平がありますので、ちょっと勉強するだけでいろいろな使い方の可能性が広がります。
私はしばしば新しいツールが現状を改善してくれると考えて流されがちになるのですが、実際は今のままのツールをより信頼して、深く使ってゆくところにヒントが隠されていたりしたのを多くの失敗で感じました。
この年末、「アプリケーション」のフォルダを整理してみてはいかがでしょうか?