ライフハックの「今」、あるいは Life Hack 2.0 の可能性について

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Gihyo.jp で連載させていただいている「ライフハック交差点」。第7回目は、話題が一巡したところで振り返りの要素をいれた「ライフハックの今」について恐れも知らずに書いてみました。いつもながら頭でっかちな私の文章を載せてくださる技術評論社には感謝の言葉もありません。

最初の爆発的な人気からインフレ的に発散していったライフハックの数々、そしてそれに続いて必然的にやってきた収束。こうした流れが今年の初めあたりまでだったとすると、2007 年は静かな選別が始まった年のような気がしています。あくまで私が欧米のブログを渉猟している中で感じ取っていたことなのですが、 Lifehack 系のブログにもゆっくりとですが話題のシフトがみられます。記事ではそんな話について書かせていただきました。

Lifehack 2.0?

2.0 という言葉はあまり好きではないのですが、「いったん広く受容されたものを破壊せずに止揚(アウフヘーベン)する」という意味合いで使うなら、2.0 という言葉は便利だなと思っています。

ライフハックもずいぶんとたくさんと紹介されるようになって、一方では貴重なテクニック・ビジネスプラクティスから、他方ではカリスマ主婦の小技集のようなものまで、幅広いノウハウが大量にネット上で交換されるようになりました。

反面、その数があまりに膨大ですので「便利なものは全てライフハックなのか?」とつっこみをいれてしまいたくなるほどでもあります。この現状の混乱に一つのベクトルを与える Lifehack 2.0 なるものはあり得るのでしょうか?

記事にも書いたとおり、一つの可能性は Unclutter と Elimination に注目したライフハックの大幅な整理のような気がします。妄想の領域では次のようなものです:

  1. ハックありきではなくて、「自分」を中心にすえて、カイゼンしたい箇所をアセスメントする

  2. その箇所に応じていままで紹介されてきた膨大なハックを援用しつつ、自分を最適化してゆくワークフローを作る

  3. レビュー、リンス、繰り返し

このような、**自分ハッキングのためのプロセスそのものを GTD のような No Brainer なフローにまとめ上げることができれば、自分の考えている Lifehacking 2.0 的なものになります。**それは7つの習慣と GTD、そして 4HWW の考え方を全部一つにしたもののはずです。

今後このブログも、次第にそうしたものを模索する方向にむけてゆるやかに記事を増やしてゆこうかと思います。

しかしこんな地味なブログから勝手に 2.0 なんて言葉を発信すると、識者のみなさんからいろいろ言われそうなので、Lifehacking.jp 2.0 ということにしておきますか 。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。