今年を永遠に保存する! 2007年をアーカイブする7つのタスク

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自分が結婚したのは、えーと、あのいとこよりもまえだっけ、あとだっけ? 自分はそのとき、どこに住んでいたっけな…。

起こった出来事自体は覚えていても、前後やタイミングというのはなんだかすっぽりと抜け落ちてしまうようです。ニュースなどで 2007 年の 10 大ニュースなどというものが登場していますが、自分の一年のハイライトをキャプチャーしておくのも、あとでとても役に立ちます。

今年のできごと、体験、思いをすべて一カ所にまとめて「永久保存」しておけば、来年、再来年、何十年先でも今年のことを思い出して「 2007 年は○○の年だった」といえるようになります。

こうした長期記憶こそが、長期的な成長の背骨になっていることも多いわけですので、単なる記録魔とあなどることはできません。

今日はそんな、1年を保存するための7つの実例について。

1. タイムラインを作成しておく

まずは今年何があったか、個人的な重要事項を重要ニュースとともに書いておくのが一番有効です。ニュースと一緒に書くのは、重要ニュースは他人と共有できる記憶だからです。「ああ、あの事件があった年ね!」という風に思い出し、共有ができます。

私の場合のタイムラインはほとんどが Moleskine 手帳のユビキタス・キャプチャーの中に入っているのですが、それとは別に起こった出来事のハイライトを TimeLine に入れておくのもいいかもしれません。

TimeLine は若干使うのが面倒なものの、 データを自分の手元に XML ファイルで管理できること、見た目をカスタマイズすることができる点が非常によいツールです。Lifehacker のまとめが参考になるはずです。

別ホスト上に掲載するのでもいい、という場合は nifty タイムラインなどのサービスを使うのもよいでしょう。

2. 今年の成功をリストアップしておく

これは自分の「成功パターン」を知るためにもとても大切です。「ああ、今年もなにもしないうちに終わった…」とつぶやく前に「あれ? 今年は何をしたんだっけ」と思い出してみましょう。人間生きていれば、存外いろんなことをしているものです。

自分の場合、今年はこのブログをはじめたこと、Gihyo.jp で連載をもてたこと、論文が一つ受理されたこと、外部資金の獲得に成功したこと、IPCC 報告書に論文が載ったこと、一流の研究者と共同研究ができたこと、海外出張を3回立案して実行に移せたこと、同僚・家族と旅行を3回立案して実行できたことなどが挙げられます。

上の文章、自慢しているように聞こえたなら申し訳ないのですが、実は書き出してみるまでは「今年は論文が少なくてダメだった…」とネガティブになっていたのです。実際に書いてみて、悪くない、全然悪くないぞ!と思えてくるから不思議です。

3. 今年の失敗をリストアップしておく

といっても、もちろん失敗もたくさんしています。失敗自体はなんてことないのですが、恐ろしいのは人は同じ失敗を繰り返しやすいという点です。失敗はしてもいいとしても、同じ失敗をすることだけは避けなくてはいけません

失敗を悔やむのではなく、「失敗パターン」に陥ってないかチェックするのが、失敗をリストアップする目的です。

自分の場合は、歯医者が怖くて虫歯を治しに行っていないという低レベルの失敗がいまだに克服できてません…。に、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ….。

4. 写真のアーカイブと、トップ100を選んでアルバム化

写真はもう一つの長期記憶です。今年とった写真にまとめて星評価をつけてみたり、カテゴリを分類したり、トップ 100 の写真を選んでアルバム化しておくと将来見返したときに喜びが増します。

特に集合写真などで忘れそうな人の名前をコメント欄にいれておいたり、どんな場面で撮影したのか、写真に「文脈」を与えておくのはあとあと大事です。

アルバム作りには iPhoto のフォトブック機能を使っていますが、トップ 100 をちゃんと選べば、全自動でフォトブックを作ってもそれなりのものができあがります。

5. 新しい出会いを振り返る

人間関係も、もう一つの長期記憶です。今年は誰と会ったのか、始めて会った人は誰か、どういう場所であったのか、これをキャプチャーしておきましょう。これを速攻でやるには、アドレスブックをみながら「最後にこの人と会ったのはいつだっけ?」と考え直してみるのが手っ取り早いです。

またついでですので、来年会いたい人や、旧交を温めたい人を思い出しておくのもいいかもしれません。

6. 今年読んだ本、見た映画、ドラマなどをかえりみる

同僚の先輩で年末に一年にみた映画をすべて列挙してまとめておく人がいますが、この分だとそのうち映画評論家になれるんではないかと思うほど、徹底して一つ一つの映画についてまとめたり、コメントをしたりしています。

「何を体験したか」も、 一年の記憶の大事な側面です。今年読んだ本の一覧表や、感動したドラマの一覧表を書き付けておくだけでも、あとでみたときに「ああ、2007 年はあれを読んだ年だったのか」という振り返りができるようになります。

7. 今年は自分にとってどんな一年だった?

最後はちょっと思索的ですが、ことしを振り返って一言でいってどんな年だったかを考えて、手帳の最後のページを飾るのはいかがでしょうか?

人生は株価と同じように、長い目で見て「進展」「後退」「停滞」「飛躍」など、大きな流れがあります。大きな流れをつかんでおけば、次に何に身構えておけばいいのか想像がつくわけですので、

「後退」という言葉を使いたくないときには「雌伏」という言葉を使ったりもできます。実力を養いながら、チャンスをうかがっている、そんな感じがして好きな言葉の一つです。

私にとって今年は「開眼」の年でした。いろいろなことに目が開き、自分の至らない点、実は優れていた点、その両方に開眼できた年でした。

これをスプリングボードにして来年は「飛躍」できるかな?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。