これが情報カードシステムの進化形:PoIC + 43Tabs

cards.jpg 43Folders ならぬ 43Tabs | blog: 野ざらし亭

日々入ってくる情報やタスクと、時間とともに蓄積されてゆく情報とを同時にバランスさせることは、今のナレッジ・ワーカーにとって必須のスキルです。私はこれらのを二つを勝手にフロー型とストア(ストック)型の情報管理と呼んでいて、この区別を意識することがまずは情報に吞まれないための第一歩だと考えています。

Gihyo.jp の記事では情報カードをストア型に位置づけていたのですが、それは私が情報カードを:

  • トリビア、気に入った言葉、熟成の必要な情報など、いつ有用になるのかわからない情報

  • カテゴリ分けが困難で、カードが蓄積されることでしだいに相互の関連が見え始める類の情報

に割り当てているからです。最近ワインを飲む趣味を始めましたが、自分の経験が深まるまでは産地の区別やブドウの品種だとかの分類をあらかじめやろうとしても失敗するのは目に見えてますので、ワイン一本カード一枚というように今はひたすら情報を投げ込んでいます。これが百枚も集まった頃に、それまで意識していなかった「構造」や「関連」が見えてくるのが今から楽しみです。

しかし、自分が考えていた情報カードの欠点を実に鮮やかに乗り越えている手法が blog: 野ざらし亭で紹介されていて、目からウロコが落ちる思いでした。その名も 43Tabs。または Pile of Index Card の考え方と組み合わせて、PoIC + 43Tabs です。

考え方としては、「3日後に実行」などいった未来の、ジャスト・イン・タイム性が要求される部分は Tickler File のように管理し、もはや過去になったカードは PoIC 的に時系列で管理してゆくという単純なシステムです。単純でもこのやり方が強力なのは、全てが時間で串刺しにされた管理方法だからです。しかも、過去と未来の区別も明確になっていて、システムの中に「時間の経過」が組み込まれています。

私はフロー情報とストア情報はツール自体を分離して管理していますが、フローからストアに自然に移行してゆくような、時間経過に意味のある情報管理には、PoIC + 43Tabs の方が優れていそうです

自分自身の情報インプット戦略を見直すことは、クオリティの高いアウトプットを生み出すための戦略にもつながります。リアルタイム性やデジタルが要求される今ですが、アナログなツールでも強力な情報管理システムが作れるのは心強いですね。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。