Mac OS X の GTD アプリ、OmniFocus のプレオーダー開始
OmniFocus のベータ版を使い始めて数ヶ月になりますが、このたび正式版のリリースが来年の1月8日になるとの発表が Omni からありました。正式版の価格は $80 とちょっと割高なものの、正式リリースまでにライセンスを買うなら $40、あるいは Omni Outliner 3 Pro のライセンスを持っている人には $30 の割引が行われるとのことです。教育機関の人にはさらに割引もありますので、買うなら今がチャンスです。
この二ヶ月の間毎日のようにアップデートが登場し、めまぐるしい勢いで開発が進行していましたが、ここ最近では仕様が固まってきてだいぶ使えるようになってきました。私はすでに仕事のためのプロジェクト管理はすべて OmniFocus に移動させましたが、クラッシュなどの問題もなく、日本語も問題なく使用することができています。
実際に使ってみた感想を一言で言い表すならそれは**「忍者のようなGTDアプリ」**です。OmniFocus をログイン時に自動で起動しておけば、あとはほとんど無意識にタスクを足しながら、必要になったたびに「いますべきことはなんだっけ?」と聞くだけで打てば響くように答えが返ってきます。また、OmniFocus を前面に持ってこなくてもタスクを追加したり情報を閲覧する方法がいくつも用意されているため、現在やっている仕事を邪魔されずに使用することが可能になっています。
そうした見事な使用感に貢献しているのが、最初のベータ版以来追加されたり使用感が洗練された以下の機能です。
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素早くアクションをプロジェクトに昇格:GTD でよくやる間違いが、「映画館に行く」というタスクが一つのアクションだと思っていたのが、実際には「上映時間を確かめる」「チケットを予約する」 「往き道を調べる」というアクションから構成されたプロジェクトだったと気づくというものです。こうしたときに OmniFocus では素早く下位タスクを加えて「映画に行く」をアクションからプロジェクトに昇格できます。これが非常に便利。
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Quick Entry:タスクを思いついた瞬間にショートカットで小さなウィンドウを呼び出して、タスク・プロジェクト名・コンテキスト・締め切りなどを入力できます。プロジェクト名などの詳細を記入しない場合はタスクは Inbox に自動的に追加されますので、あとでゆっくりと詳細を埋めてゆくことができます。
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バケツ:プロジェクトのように互いに関連していない一匹狼のアクションを投げ込んでおくための場所が自動で作られます。GTD のシステムから漏れてしまいがちな小さなタスクがちゃんとキャプチャーされているのはとても安心です。
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パースペクティブ:やらなければいけないものの一覧表が長くなってくると、「パソコンの前でできる 30 分以内の仕事」とか「『買い物』コンテキストの全ての項目」といったようにタスクのフィルタリングをしたくなります。OmniFocus には高度なフィルターが付いていますが、そうして作ったフィルターを「パースペクティブ」として保存しておき、いつでも呼び出すことができます。
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クリッピング:OmniFocus に移動しなくても、Finder、Mail、Safari、そしてあらゆるアプリケーションからクリップした情報をショートカット一つで OmniFocus に飛ばすことができます。メールを読んでいて「これをタスクに加えなきゃ」と思った瞬間にショートカット一発で済むというのは実に便利です。
多くの GTD アプリの欠点は存在感がありすぎて、常に前面のウィンドウに持ってきておかないと使えないことが多いなかで** Quick Entry やクリッピングの機能は OmniFocus の気配を消すことに非常に役立っています**。
欠点らしい欠点のない OmniFocus ですが、現在のところ iCal とのシンクロはできるものの、iGTD のような .Mac による2台以上の Mac のシンクロ機能はありません。一部で OmniFocus のライブラリファイルを iDisk に置いてシンボリックリンクを張ることでこれを実現したという報告もありますので、そう遠くないうちに実現しそうな気配です。また、iPhone / iPod touch との連携も今はできませんが今後の予定には入っているそうです。
Omni のソフトはどれも非常に完成度が高いことで知られていますし、リリースされた後でもちゃんと使いやすい機能をマイナーアップデートで追加してゆくことで定評がありますので、Omni の回し者ではありませんが、おすすめです。
全て英語での説明になっていますが、OmniFocus の使い方を紹介している新しいビデオの第一弾も公開されています。言葉で伝わりにくい使用感を目でご確認下さい。