未来の自分にメモを送るタイムマシン、Tickler File の応用
43Folders 経由で知りましたが、本家 David Allen Co. からオフィシャルの 43Folders、もとい、Tickler File が発売になりました。
オフィシャルの Tickler File は $40 で重さも2kg と、送料も含めてちょっと高いですが、見たところ非常に強靱に作られているみたいですので長持ちしそうです。
Tickler File は、12ヶ月のフォルダと、日付用の 31 日のフォルダの合計 43冊の個別フォルダーを利用した、将来の自分にむけてメモを送るタイムマシンのような仕掛けです。GTD 本を読んでいる人にはおなじみでしょうけれども、GTD に不可欠なものではありませんし、それ自体として便利なものですので、本を読んでいない人向けに仕組みと、使い方の例を書いてみました。
作り方・使い方
Tickler File を作るには最低 43 冊の個別フォルダーが必要になります。できればそのうち12冊分は山の場所を逆にしておくと便利です。月に割り当てた12冊と日付に割り当てた31冊を、右の図のように並べるのが基本になります。
使い方は簡単で、未来に届けたいと思っているメモや書類を、それぞれの日付に落としてゆくだけです。一ヶ月以内は日付単位になっていますが、一ヶ月以上先については「1月」とか「2月」といった月単位のフォルダに入れます。
未来に送りたいと思っているものが個別フォルダーに収まりきらない場合には、そうした資料やモノを別のファイルボックスなどに封印して、Tickler File には「○月×日用の開けるべきファイルボックスがあります」と、その存在を指し示すメモだけを落としておきます。
あとは毎日今日の Tickler File をのぞき込み、全てのメモやモノを Inbox に移動したあとで個別フォルダーを来月の一番最後の日付のところに差し込みます。この操作が肝心で、これによってフォルダは1日ずつ未来に向けて進行していきます。
Tickler File をもっと使う
実際使ってみると、Tickler File の43個のフォルダは多すぎる! と感じることがよくあります。毎日レビューをしない限りはモノが死蔵されてしまう危険もあります。そうした場合はフォルダをいろいろ減らしてみてもいいでしょう。
16 フォルダー:週ごとのフォルダだけに限定する
毎日毎日多くのメモが生産される仕事場だったら43個のフォルダを維持することに意味はありそうですが、週に一度のレビューでよいという人は、 「12ヶ月 + 4週間」の 16 Folders でも十分に用を足します。この場合、来週、再来週にむけて送りたいメモをためておいて、週の初めか、終わりの段階ですべてを Inbox に吐き出すという手順になります。
5 あるいは 7フォルダー
最大でも7日先までしかメモを飛ばしておく必要がないという、仕事の回転が速い人にとっては「月曜日〜日曜日」あるいは「月曜〜金曜日」フォルダーだけでも事足ります。
Tickler File の力
Tickler File を使う目的は、5日先でないとどうすることもできないメモ(Aさんに電話しないと行けないけど、彼が出張から帰ってくるのは5日先、といった状況)を目の前から排除することにあります。効果的な忘却と、Just in time で思い出すためのリマインダの役割をもっています。
リマインダだけだったら Google Calendar でもいいのですが、Tickler ファイルのいいところは実際のモノを入れておくことが出来る点です。たとえば、「7日後にならないと受け付けてくれない書類」といったものを未来に向けて飛ばしておくことができるわけです。GCal のリマインダと Tickler file を組み合わせておけば、必要のない書類が机の回りにふらふらとおいてあることがなくなるという利点があります。
あと、未来にむけた手紙を送るという利点を生かして、いろんな面白い使い方をしている人も見かけます。たとえば:
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勉強の復習は1週間後、3週間後、6週間後に行うと効果的だそうですが、こうした 一週間後に復習したい英単語、勉強のメモなどを落としておいて学習に利用する。
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千円札やクーポンなど、自分へのごほうびをランダムな日付に落としておいて、自分で自分をサプライズする
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家計を付けると決めている日に向かって全てのレシートを先送りしておく
など。デジタルだけではどうしてもできない隙間を埋めてくれる Tickler File の使い方、ほかにもいろいろありそうですが、他にも「こう使ってるよ」という例はありますか?