あなたが「成功」できていない10の理由

architect.jpg 10 Reasons You Aren’t Achieving Success | Lifehack.org

私は「成功者」ではありません。私ほど理解が遅く、物事を遠回りしている行っている人間もいないのではないかと自分では考えています。だからこそ、こんなブログを立ち上げてまでも、自分を変えたいと切実に願っています。

たとえば、私は研究をする上でのツールもやたらとそろえて、研究で使うプログラミングの技術もそこそこありましたし、加えて英語が達者でしたので、教授も周囲の人も私がさっさと英語論文を書きまくるだろうと考えていたようです。実際には、最初の論文を書くために普通の人の2倍の年月がかかりました。

たった4ページの論文に七転八倒し、それを投稿したときでさえ、私はそれが受理されると自分で信じてはいませんでした。運良くその論文が受理されたとき、私は力が抜けて椅子にへたり込み「なんだ…自分は論文が書けたんだ…」と独りごちました。いまならそれを「自分は成功できたんだ…」と書き換えることができます。成功には、テクニックや運よりも、意識改革がまずはじめに必要なのだということに気づいた一瞬だったのです

Lifehack.org に「あなたが成功できていない10の理由」という目をひくタイトルの記事がありました。7月に似たような記事がありましたが、今度は「成功」と私たちを分かつ10のハードルについて上手にまとめてありましたので、意訳でご紹介いたします。当てはまるものがないかどうか、心をスキャンするイメージで読んでいただけると幸いです。

  1. 明確なゴールがない:往々にして、私たちは日々の雑事に奔走しているだけで、何をしようとしていたのかも思い出せずにいます。あるときは周囲の期待に応えるだけだったり、あるいは最初は明確だったゴールが途中で変わってしまったりして、終着地点を見失っています。 ゴールがなければ、当然そこにたどり着くこともできず、成功することはできません。

  2. ビジョンがない:ゴール自体は重要ですが、そもそも「なぜ、これをしないといけないのか?」という確信がなければゴールにたどり着くこともなかなかできないでしょう。ゴールが旅の終着地点なら、ビジョンはそこまでの燃料といってもよいわけです。

  3. プランがない:世界は素晴らしい目標を立てながら、それを実現できていない人であふれています。それは現在もっているリソース(知的、経済的を含む)をどのようにして目標に差し向けるのか、具体的なプランをもっていないからです。目標を持っているのに、その実現のためにまず何をすればいいのかわからない、ということがないようにしなければいけません。

  4. 確信がありすぎる:あなたの計画がどんなに素晴らしいものであったとしても、状況に応じて事態は変化していきます。想定外の事態に打ち壊されるのではなく、それを受け止められるように、ある程度は柔軟性がなければいけません。

  5. 確信がなさすぎる:周囲に翻弄されて、変化しすぎるのも問題です。目を大きく見開いて状況を観察しつつも、自分自身を信じる心のスタミナが必要です。

  6. 失敗から学んでいない:多くの人は、失敗を自分自身が否定されたこと、自分の無価値を証明するものだと感じて、最初から何かを望まなければよかったと心理的に白旗をあげてしまいます。しかし実際には失敗は成功に不可欠の要素で、失敗したときこそ、その原因を正確に分析して学ぶことで成功への近道を作れるのです。

  7. 周囲の影響・助力を拒否している:周囲の人から影響されたり、助けをうけることを「弱さ」と感じてはいないでしょうか? どんな人も周囲の人と協力しないで成功はつかめません。アドバイスのすべてに耳を傾ける必要はない者の、慎重にアドバイスや助力の申し出をうけるのは成功を呼び込む考え方にもなります。

  8. 出し惜しみしている:自分の素晴らしいアイディアが他人にコピーされてしまうのではないかという恐れから出し惜しみをしている人もいます。慎重であることは重要ですが、自分の夢を自分で囲い込むのではなく、広く世界に解放することでしかそれは実現しません。

  9. リソース不足:金銭面であれ、時間であれ、エネルギーであれ、こうしたリソースが足りない場合に失敗は起こりがちです。自分のリソースを常にチェックして、若干の余裕を持つのはリスクをヘッジするのに役立ちます。

  10. 成功を恐れている:がんばって、がむしゃらに行動しているときはいいのですが、いったん成功して「その向こう」に何が待っているのか不確実な場合、私たちは成功それ自体を恐れることが多くあります。「成功」「目標」のさらに先を思い描くことによってゴールテープを切る恐怖を通過点の爽快感に変えてしまいましょう。

いまでは、以前の私が、まさにこの10番目にはまっていたということがわかります。自分で自分の「成功」を信じていないばかりか、「成功」を恐れていたので、日々の作業ばかりに奔走して仕上げの一筆をいれることを手控えていたのです。自分のことを信じていなければ、他のハードルもすべて越えられなくなり、連鎖的にこの10個のうち7つくらいには失敗していたようです。

自分が何にも成功しない、どうも昔に比べて力が衰えてきたと思う場合は、もう一度小さな「成功」から積み上げをしてゆくことがおすすめです。一つ一つのプロジェクトを野球の回だと思えば、9回が終わるまでに点差が1点でも勝っていればそれは「成功」なのですから、その一つ一つの回で、上の10項目が活かせるのではないでしょうか。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。