ライフハック交差点 (5) フロー型とストア型の情報管理

th64_052_crossover.png 第5回 フロー型とストア型の情報管理

Gihyo.jp での連載、「ライフハック交差点」の第5回は再び情報氾濫の話にもどって、今度は大事な情報の受け流し方についてです。なんだか文章だらけで小難しくて申し訳ないのですが、これは私がとても気に入っている話題の一つです。

ようするに、**1) 鮮度が失われるとともに情報を捨てていく方がよい場合(フロー型)と、蓄積することで価値が増す場合(ストア型)**の2種類があるという話です。当然っぽい話ですが、これを意識しないで「すべての情報を Yojimbo で管理しよう」とか「全てメールをベースにしてやろう」と始めてみて、私は何度も何度も失敗していますので、多分これは大きな落とし穴なんじゃないかと勝手に考えています。

現在の自分の布陣はこんな感じです:

  • 論文情報: 次々に新しい情報が入りつつも、タグで関連性と重要性は保持しておくようにしたいですので、フロー + ストアで、ここは Yojimbo の出番です。

  • ブログのネタ: 新規性の高いネタは RSS + ソーシャルブックマークで受け流し。より長期的に使うあてのある記事は「GTD」「ライフハック」というページのもとに VooDooPad で蓄積、適宜削除しています。典型的なストア型。

  • トリビア、日々のニュース:すべて Moleskine 手帳がキャプチャーしています。興味があっても未来のいつの時点で使うかわからないネタは、すべて手帳行きです。人間の脳は驚くほど時系列についてはよく記憶していますので、「去年の今頃見たあの新聞ネタは…」ということでも手帳は割合都合良く記憶してくれます。書いているときはフロー型、でも手帳は永年保存なので、実はストア型にもなってる。

  • 原稿: 短期間で集中的に情報をあつめて相互に比較しながら書く場合は情報カードが役立ってくれます。どこでも持ち運べますので、たとえトイレの中でもカードを繰りながら考え事ができます。いや、あくまでたとえですが。ストア型。でも仕事が終わったらカードは保管されてしまいますので、ある程度は津ローさせてます。

えらそうに書きましたけど、時期によって上のシステムは揺れ動いてます。そのつど気分に合ったツールを使うような感じです。細かい作業をいとわない人なら、もっとちゃんとできるのかもしれません。こういうところで根っからのずぼらさ加減が発揮されてますね…。

次回は、最近書籍でもよく取り上げられる「人間関係のライフハック」を横断して紹介します。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。