バックアップのバックアップはどうする?

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先週末、私の職場で盗難事件がありました。私の部屋のある棟は無事でしたが、となりの研究棟の上層階のいくつかの部屋からノートパソコンと、ハイスペックマシンのメモリが抜き取られ、ハードディスクなどが盗まれていました。古い建物とはいえ、ちゃんと一階にガードマンが常駐していて監視カメラもあるというのに、どうやって忍び込んだのか…。

バックアップをとっても、バックアップを保存しているハードディスクごと盗難されたのではたまったものではありません。SuperDuper! でバックアップを定期化している私ですが、なんだか急に心細くなってきました。バックアップを含めたデータが盗まれたら、研究データや仕事のファイルはもちろん、過去数年の全ての写真、音楽、動画などが全て失われてしまうわけで、悲惨そのものです。

企業のデータセンターはさておき、個人 PC などのレベルで盗難、火事などにそなえて、普段からできることはないのか 、ちょっと考え込んでしまいました。

すぐに思いつくのは;

  1. 自宅のバックアップは職場に、職場のバックアップは自宅に持ち帰る:面倒ですが、これが一番確実な方法だといえます。ただし、私のように職場データがテラバイト単位の人や、職場データを持ち出すことが禁じられている場合は無理ですね。

  2. 別の部屋の LAN HDD とシンクさせておく:盗難では「4階はやられたけど、3階は大丈夫だった」、みたいな局地的なことがよくあります。別の階の部屋と相談して、お互いに LAN 経由で使うHDD を置き、互いに別の部屋のハードディスクに対してバックアップを撮ることも有効ですね。

  3. メール、写真、ファイルなど、最も大事なものはオンライン管理する:現在、メールと写真は GMail と Flickr で管理しつつ、手元にもデータを残していますので、ある程度安心ができます。あとは大事なファイルを大きく・速くなった iDisk に保存しているところ。

  4. オンライン・リモート・バックアップサービスを使う:最近は、割合安価で数十 GB のデータをリモートのサーバーにバックアップできますので、社外へのデータ持ちだしの点だけクリアできれば、あるいはそれにあてはまらないデータだけをこうしたサービスで保全できます。

といったところです。

しかし、現在進行中の仕事で「これだけはなくしたら困る!」というデータ量を換算すると 5TB以上あり、どれもハードディスクでバックアップをとっています。

完璧なバックアップへの道を阻む一番の障害は、自分で管理しているカレント・ワーキング・データの量があまりにも大きいという点だということにあらためて気づきました。仕事を細かく完了させ、必要のないデータは消したり、お蔵入りにできるように工夫しないと。4台の PC から吐き出される1日あたり 10GB のシミュレーション結果をやりくりするだけでも、もう大変なのですが…。

社内の巨大サーバーのデータではなく、 普段の仕事と生活のファイルのバックアップで工夫していることって、ありますか?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。