クリエイティブな習慣:インスピレーションは量産化できる

stones.jpg

昨日紹介した 43folders の「クリエイティブな仕事で GTD は通用するか?」の元記事に特に共感する部分がありましたが、昨日の記事には収まりにくかったのであらためてご紹介します。

クリエイティブな作業を習慣化して、発想力が枯渇しないためのヒントのようなものが、この一部分に込められています。

I’m also trying to develop creative habits. I’m trying to take at least one photo a day, for example. I’m trying to get into the habit of writing 1,500 words of fiction a week. It’s my hope that if I can make a habit of being creative – if I can develop a creative routine – I’ll be more creative overall and my design and problem-solving skills will benefit from that.

わたしはクリエイティブな習慣をつくることにもしている。たとえば、なるべく一日に一枚の写真はとるようにする、などだ。フィクションなら、一週間に 1500 文字は書く習慣を付けようとしている。もし、これを習慣として身につけることが可能なら、クリエイティブな習慣といえるものを作ることができるのではないかと思っている。そしてそれは、私の問題解決の能力や、デザイン全般に対して有益だとと思うのだ。

I believe that a good designer can be made and the skills needed to be a genuinely creative person can come through discipline, learning, and practice, not just god-given talent. Working hard and getting things done can lead to a more creative life, I’m sure of it.

私は、よいデザイナーとは天賦の才能だけで生まれるものではなく、訓練と学習と練習とで作り出すことが可能だと考えている。努力して Getting things done しているうちに、もっとクリエイティブになれると、私は確信している。 この部分を読んでいて、43Folders の Merlin が彼のビデオキャスト番組、The Merlin Show の第二回で、Jonathan Coulton と対談していたときの会話を思い出しました。きっと Merlin 自身もそれを思い出してこの記事を書いていたのだと思います。

Jonathan Coulton はプログラマーからミュージシャンに転向した人ですが、毎週必ず1曲を1年間作曲し続け、ブログで公開するという A Thing a Week というプロジェクトで有名になりました。

The Merin Show の対談の中でも、彼は金曜日にまでには必ず一つの曲をかかないといけないという体験について、いくつか興味深いことを語っています。

「趣味だったら『また調子が出てくるまで放っておこうか』ですむところを、あえて『プロになる』という選択をすることで、常ににクリエイティブになれたんだ。趣味を、プロの感覚でやったんだよ」

「ときには自分でも納得のいかないものを、『とにかく金曜日だから』という理由だけでリリースしたこともある。不思議なことに、そういう曲が逆に読者にうけて、自分が気に入っている曲が読者にうけなかったり、いろいろだったよ」

この短いコメントには、クリエイティブな職業についている人、あるいはクリエイティブな趣味をもっていて、もっとプロのように成長したいと考えている人にとって重要なヒントが入っている気がします。

つまり、才能や、技術のレベルを気にすることなく、常に情報やスキルを集めて「プロのように」定期的に成果を強制的に出してゆくうちに、クリエイターとしてのレベルが上がってゆくということを教えてくれているようです。

この対談を見たのが、ちょうど Lifehacking.jp のブログを立ち上げたばかりの今年の2月。自分で書くものに自信がなかったり、こんなことに意味があるのか、と思っていたころのことです。この対談に背中を押されるようにして、このブログはスタートしました。

それから半年。いやはや…毎日というのはつらいです。クオリティも日によってばらばらです。でも確かに、クリエイティブな出力をあえて定期的にしてしまうことで、思わぬインスピレーションが生まれることもありました。しばらくはこの習慣を続けてみて、さらに何が見えてくるのかに挑戦してみたいと思います。

p.s.

しかし秋に3週間にも及ぶ長期海外出張が入っているので、lifehacking.jp の継続更新は最大の危機を迎えつつあるのでした。さて、どうしたものか…

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。