世の中甘くないぞ! 社会に出る前に学んでおくべき12のこと

business.jpg Ten Things to Learn This School Year | How to change the world

研究者という稼業も決して楽ではないつもりですが、一般の企業からみたらずいぶんと甘い場所らしいですので、こんなブログを書いているのが周囲の人にあまり広まると気恥ずかしいです。そんな引け目を感じているからこそ、いつも社会人のマナーだとか、社会人のルールといった話題には敏感に反応してしまいます。あこがれといってもいいのかもしれません。

今日紹介する記事の著者 Guy Kawasaki はオリジナルのマッキントッシュのマーケッティングをしていた人で、Truemors の仕掛け人としても有名な人ですが、彼のブログで “Ten Things to Learn This School Year” という記事が載っていて、社会に出る前に学生が知っておくべき実社会の常識についてまとめています。アメリカでは今が夏休みで9月から新年度だから This school year になっているのですね。

自分が勉強したいので、かいつまんで意訳でご紹介。

  1. ボスへの話し方:学校では問題を先生にもっていく。会社ではボスは問題をききたくなんかない。問題については触れた上で、それが解決したことを報告しに行くのだ。

  2. つまらない会議に慣れておく:会議もゲームの一部分だ。会議から何を得たいのか自分のゴールを明確にしておいて、それが片付いたらあとはリラックスして成り行きを見届けるといい。

  3. 会議を運営するようになったら:時間通りに始める。なるべく少人数で行う。議題を明確に。時間通り終わる。決議をメンバーにメールで共有する。この5つを守るだけでほとんどの人よりは会議運営が上手になる。

  4. 一人で学ぶこと:社会に出たら勉強会やゼミなどない。一人で答えを見いだせるようにしておくこと。

  5. ネゴシエーションを上達しておく:事実を十分に把握し、自分の求めているもの、逆に自分が求めていないものを知り、相手の求めているものを想像した上で、win-win な解決方法を見つける。このプロセス以外は役に立たない。

  6. 会話術を身につける:不思議なことに、話すよりも聞くことに集中しているとたいてい相手は自分のことを会話に長けていて頭がいいと評してくれる。

  7. 30秒で説明する訓練:エレベータが目的の階にたどりつくほどの時間で相手の興味をかきたてないといけない。ミッション・ステートメントよりはマントラ(真言)に近いものを練り上げること

  8. 1ページの報告書を書く:学校なら長いレポートの方が成績が良いが、実社会では最もよい報告書は1ページくらいで、要点を得て書かれているものだ。

  9. メールを5つの文で完結できるようにする:長い文章を書いても双方にとって時間の無駄。5つの文章で要点が伝わるくらいにメールの文章を絞るといい。

  10. 同僚とうまくやる:学校での評価は個人ベース。でも社会での評価は誰とどのように仕事ができたかにシフトする。全員で評価を共有できるようにしてゆくこと。嫌な同僚がいるなら、なおさらその人とどのようにつきあうかが課題になる。

  11. PowerPoint を上手に使う: 教授が長い授業で使うスライドは字が小さくて何十枚もあったはず。でもガソリンの値段がこんなに高い時代に車を売りたいと思うなら、スライドは10枚、時間は20分、フォントの大きさは30ポイントが目安になる。

  12. 留守電上手になること:ながながと早口で話して、結局「またあとで」ではいけない。ゆっくりと話して、「明日の十時にうかがいます」というように、留守電にも何かの進展を持たせること

よかった。自分にとってあまり意外なことは書かれていませんでした。自分にとって一番不得手なのは6番、7番だった気がしますので、そのあたりを今後のばせるといいかなと思います。

それにしても Ten things といいながら 12個書いてあるあたりが侮れません…10まで読んで12個あることに気づいた時には、どうしても残り二つを読んでしまうじゃないですか。これも社会の厳しさというものか…。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。