自由時間をハックする:あるいは、仕事をするように遊ぶ方法
Why Your Free Time is Boring | Lifehack.org
「幸せの反対はなんだか知ってる?」
いつだったのか。もう記憶の彼方で誰と、どこで交わした会話であるかも忘れましたが、そう聞かれたことがあります。「不幸せ?」と答えると、その人は首を振って、「いいえ。倦怠 (boredom)よ」と答えました。Tim Ferris の The 4-Hour Workweek にも同じことが書かれていて、最近久しぶりにその記憶がよみがえりました。
それと似た話なのですが、「仕事」の逆は? と聞かれたら、多くの人が「遊び」と答えると思います。私も遊びだと答えますが、「遊び」の内容まで「仕事の逆」にしてはいないか? という、ワークライフバランスの核心を突いた記事が Lifehack.org に載っていました。
「仕事」といわれると、規律正しく、スキルを磨き、効率的にすすめるものだと感じる人は多いでしょう。しかし、仕事がきついことへの反動か、「遊びはその逆」という考えを必要以上に推し進めてしまうと、「遊びとはだらだらとして、特に負荷のかかる行動はやめておき、成り行きに任せるのでいいのだ」というワナに陥ってしまうので注意、というのが記事の骨子です。そうなると、せっかくの自由時間からも満足どころか倦怠感を感じるようになってしまうというわけです。
まるで逆説のようですが、自由時間から大きな満足を得るためには、まるで仕事のように計画された有意義な遊びで時間で満たしていく方がよいということになります。なるほど、ちょっとチャレンジが必要だったり、長期目標がある遊びの方が達成感がありますし、計画的に遊べるという仕組みなわけですね。
単に発想の転換というわけですが、この「仕事をするように遊ぶ」というマインドセットをもったら、あとはいつもと同じように行動を起こすだけということになります。システム手帳を取り出し、ペンをなめて週末の数時間を「遊び」とスケジュールを入れてしまい、そしてこの数時間を最も有意義に遊ぶための戦略を練っていきます。
遊びもプロジェクトにする
私の尊敬する人に温泉好きな方がいて、忙しい仕事の合間にも時間を作って全国の温泉を巡っている人がいます。ときどきご一緒するのですが、いつも行った先の温泉を綿密に記録し、客のいない瞬間に写真を撮り、成分表を分析して、周囲の観光まで調べてメモをとっています。
旅先から帰ると、いつも旅先の情報を一つの随筆にまとめておられるのですが、これがそのまま本にしても良いくらいのクオリティなのです。どうしてそこまでするのかと聞くと、いつも「これは仕事なんだ」と口にされています。
このように、いまやっている趣味をもう一歩進めて、仕事で言うならプロジェクトのようなものにしてしまうと良いのかもしれません。「仕事」ですから、目的、投資、リターン(満足)をしっかりとみすえて時間を使っていきます。
スポーツが趣味なら、トーナメントに参加したり、タイムを有人と競ったりといった目標をもってみたりすること。海外旅行が趣味なら、語学の上達を目標に取り入れたり、あるテーマにそった旅を連続して計画してみることなどが挙げられるのかもしれません。
もちろん、「今日はリラックスしよう」という日もあってもいいわけですが、それは「仕事」にもメリハリがあるのと同じことで、「今日はばりばり遊ぶぞ!」という日が別にちゃんとあるわけです。
「ちょっと休日出勤してくれないかね」 「申し訳ありません。重要な遊びの案件が入っていまして」
ここまで言えたら「遊びのプロ」かも。(もちろん、おすすめはしませんが!)