賢人皇帝の GTD:マルクス・アウレーリウスの教え
ブログのネタが思いつかないときには、時には思い切ってまったく違った場所でネタを探してみようかと、本棚の奥からしばらく前に読んだマルクス・アウレーリウスの「自省録」を取り出して開くと偶然こんな一行が。
突然ひとに「今君は何を考えているのか」と尋ねられても、即座に正直にこれこれと答えることができるような、そんなことのみ考えるよう自分を習慣づけなくてはならない。 ローマ帝国の賢人皇帝は GTD マスターでもあったのでしょうか? まさにこの、“Whats on your mind?” という問いを発した瞬間に、それが明確なアクションの形をとって言葉になることが GTD の習慣の基本テクニックですが、皇帝はさらに一歩を踏み込んでいて、出てくる言葉が善であり真理と調和していることを自分自身に課していたようです。
このようにすれば、その返事によって、すべて君の内にあるものは単純で善意に富み、社会性を持つ人間にふさわしいものであることや、また君が快楽に無関心で、あらゆる享楽的な思いや競争意識や嫉妬や疑惑やその他すべて君が自分の心の中にあるというのを赤面するであろうようなことは、いっさい考えていないことがただちに明らかになるであろう。 なるほど。「今何を考えてる?」と聞かれたり、思いついたことを ToDo リストに思いついたタスクを書くときに「同僚の A さんをどのように出し抜けるか考えること」とか「後輩の B をいじめておくこと」なんて答えを返したり、リストに書き込んだりする人はいないはず。ToDo に入るのは、常に自分と周囲の人に重要で調和のとれたことばかりです。
それならそれを逆に利用して、自分の価値観を実現するタスクを ToDo に押し込んで自分の成長をうながすものありかもしれませんね。たとえば「7つの習慣」の一つ一つの習慣を身につけるためのタスクを投入してみるとか。
しかし陛下の基準は高すぎて、卑しいしもべはいつでも赤面したままでいなければなさそうです。まずは小さなことから始めさせてください。