失敗ファイル #1:自分以外の人の予定をモニターしてなかった

radar.jpg

こういうブログを書いていると、なんだか私のことを非常に仕事ができる GTD 黒帯にしてライフハックの達人のように誤解する人も中にはいるかもしれませんが、事実はさにあらずで、今も Just another Life hacker、一介の Geek にすぎません。ですから普段もいくつも失敗をしては「ああすれば良かった…」と反省することしきりです。

6月だというのに人事の異動があったり仕事が山積みになっていたりと、ちょっと忙しいのですが、夕方も4時をすぎてそろそろアフター5の別の研究ができるぞと思っていた矢先にその電話が入りました。直属の上司からです。

「mehori くん、君が以前見せてくれたプレゼンの図なんだけど」 「以前っていつですか」 「3ヶ月前」 「…」 「あれ、すぐに作り直せる?」 「え?」 「明日から出張に行くので、ちょちょっと2時間くらいで」 「データを作成するだけで2日かかったアレをですか!」

この上司は尊敬する方なのですが、ちょっと、いや、とてもぎりぎりになって仕事を飛ばしてくるというクセがあります。それはよく理解しているので腹を立てたりすることはないのですが、緊急度が高い仕事が重なるとストレスが倍増するので、できれば早めに仕事を受けられるように普段は注意をしています。

今回はそのレーダーをかいくぐっての来襲でした。

しかしよく手帳をみてみると、3ヶ月前に「6月の会議でこの図を使うかもしれない」「要再検討」という記入がされていました。内部のグループウェアにもこの会議の予定がアップされていたのを、私が自分の仕事に忙しすぎて見落としていたのでした。

私のやっている研究者という仕事はスタンドプレーが多いのですが、逆にだからこそ、こうした少ない連係プレーのチャンスは大事だったりします。失敗というほどではないかもしれませんが、自分の予定だけではなくて、上司の予定もあらかじめモニターしておいて、先回りして「以前話していたこの資料は結局使うんですか?」という確認をとっていればよかったなあ、と思った次第です。

そうしておけば、1) 「こいつは先に手を打つことができるやつだな」と、ひょっとしたら思ってもらえるかもしれないのと、2) なにより、自分のスケジュールで仕事を進められる、というメリットがあったはずでした。

結局、その図がどうなったかというと、できたことはできました。でも納得のいかない仕上がりです。あんなのを資料に持たせて本当にいいのかなあ。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。