リアルな人とつきあおう。人間関係をハックする4つの方法

people.jpg How To Hack Your Social Life: LifeDev

インターネットと携帯電話の爆発的な普及は私たちをリアルタイムでつないでくれることに成功しました。それは それで楽しいのですが、リアルに人間と会ってしゃべるのに比べるとどこか楽過ぎて、なんとなく後ろめたい気がするのはなぜでしょう。

上の LifeDev の記事「ソーシャル・スキルをハックする方法」を読んでいて非常に共感した一文が、「自分自身の仕事を効率的にしたりするのには熱心なのに、自分の社会的なスキルを向上しようとしている人は少ない気がします。だれも自分のソーシャル・スキルをハックしようとは思っていないのです」というものでした。

この点は、まさに私が GTD 「だけ」に頼ることにどうしても抵抗を感じてしまう理由を代弁してくれています。GTD は個人的なタスクマネージメントですので、どうしても明示的に周囲の人々との関係を変えてゆこうという視点が入り込みません。

それに対してスティーブン・コヴィーの「7つの習慣」は「自分」から「周囲」へというベクトルが盛り込まれていて、自分の成長が周囲に、周囲の成長が自分に、というフィードバックをも含んだ考え方になっています。この二つのメソッドの調和は、今後ますます重要になるのではないでしょうか。

本題に入ると、LifeDev の記事ではまず簡単なことから自分の人間関係をハックするために4つの実践をしてみてはどうかと提案しています。意訳でご紹介します。

  1. リアルな人間をつきあおう:Twitter も Facebook も MySpace も、(日本なら Mixi も)いいのですが、リアルな人間と会ってつきあうことには替えられません。人間関係の豊かさは、人生の豊かさに直結します。

  2. オンラインの時間を減らしましょう:コンピュータとテレビの前から離れてみてはどうでしょうか。この二つはたった一人だけでできるものですし、あなたの注意をひきつけて他の人との人間関係を停滞させるものだからです。

  3. まったく知らない人と話してみよう:他人と話していないと、他人が怖くなるのは当然です。たとえばスーパーの店員などに、自分からいきなり話しかけてみてはどうでしょうか。

  4. まず耳を傾けましょう:自分のことしか話していない人間との会話ほどつまらないものはありません。そこで 1) まず相手の話を聞いて、2) 質問をして、3) そのあとで自分の話をする、というルーチンを意識的に選んでみます。

3番目は、以前に書いた「地下鉄構内でストラディヴァリウスの音色」の話を思い出しました。「我々の多くにとって、技術の進歩は皮肉にも新しい経験に対して私たちを解放せずに、むしろ制限することとなった。私たちは日に日に、すでに馴染みのあるソースからしかニュースを受け取らなくなっている。 iPod には、すでに知っている曲だけが入っていて、私たちは自分自身のプレイリストをいじくるだけなのだ」人間関係にも同じことが言えるのかもしれません。

新しい友人をさがしたり、職場で新しい人間関係を開拓するのは性格的に難しかったりする人もいるでしょう。その場合には、古い友人に久しぶりに連絡をしてみるというのもいいのかもしれません。

書いているうちに時差がちょうどよい案配になってきました。アメリカ東海岸はいま土曜日の朝。この記事を投稿したら、すぐに向こうの友人に電話をしてみることにしてみます。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。