Google Reader がオフラインでも利用可能になる Google Gears 公開

logo-google.gif Google Gears API Developer’s Guide - Home:

もう ニュースを 駆けめぐっていますが、Google が開発者向けの国際会議、Google Developer Day で、オフラインでもウェブアプリケーションの利用を可能にする Google Gears という技術をオープンソースで公開しました。

まだ利用方法は限られていますが、Google Reader の利用しているなら、右上の方をみますと Offline というリンクが増えています。これをクリックするとプラグインをダウンロードして、Reader をオフラインで利用できるようになります。

どうしてこれが重大なニュースかというと、これまでオフラインでは利用することのできなかった GMail や Google Calendar、Google Reader といったアプリケーションを、オフラインでも使用できるようになるからです。

このテクノロジーが Google アプリ全部で使用されるようになれば、近い将来次のようなことが実現するかもしれません。空港のラウンジでネットにアクセスし、GMail, Google Calendar, Google Reader のデータをすべてローカルのデータベースに保存し、飛行機にのってからオフラインでゆっくりと読んだり、メールへの返信を書いたりします。そして到着してからもう一度ネットにアクセスすると、その間の変更を全て自動的にシンクロしてくれる、といった感じです(Google Reader ではもうこれが実現しています…すごい…)。

また、この技術をうまく使えば Google のサーバーがなんらかの理由で一時的にダウンしているときでも、個々のユーザーはウェブアプリを利用し続けることができるようになるかもしれません。これは一人でウェブアプリを利用しているのではなく、世界中にちらばったチーム全体で利用しているような場合に非常に重要な点です。

というのはネットに障害があったからといって、すべての業務が停止しているようでは、そんなシステムは信頼して使えないからです。ネットが落ちていても、とにかくローカルのデータベースで仕事は続行させて、あとでネットが復旧したらお互いの情報が再び連携されるようになるなら理想的です。ウェブアプリを使うときにネットの存在自体を空気のように意識せず使えるようになるための第一歩だといえそうです。

Scobleizer には Google Gear の開発者 Brad Taylor へのインタビューが載っていて、こちらも興味深いです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。