集中力を高める 48分:12分 時間活用法

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私の小学校には当時習字の得意な校長先生がいて、卒業してゆく子供一人一人に好きな言葉を聞き、その言葉を色紙に書いて贈ってくれました。

当時から気が散りやすく、勉強なんてまるで手に付かない子供だった私は、別に好きでもなかったのですが、自分への戒めもこめて次の四字を選んで書いていただいたのでした。

一心不乱。

その色紙を毎日目にして勉強ができるようになったのならそれこそ美談なのですが、そんなことは全然なく、何十年か経った今でも足りない集中力をかき集めて日々を過ごしている気がします。

集中力を一時的にでもブーストするためのハックはいくつもありますが、そのときに応じて使い分けることでなんとかやり過ごしている感があります。今日紹介するのはそんなハックのうちの一つ。あとそのとき使用するタイマーもいくつか紹介します。

一時間を 48分:12分 に分ける

The Power of 48 minutes などの記事でも紹介されていましたが、このテクニックは1時間を 48 分と 12 分に分割して、48分間はすべての雑音をシャットアウトして集中して仕事を片付けていき、その後12分間リラックスしてトイレにいったり、コーヒーを飲んだり、ちょっとメールをチェックしたりするというものです。

たったこれだけのテクニックですが、リンク先のブログにはこのテクニックを1日4回実行させることで、200ページの本を2週間で書き上げた人の話も紹介されていて、仕事のペースを作るのには非常に役立ちます。48分:12分 の分け方も恣意的ですが、実際にやってみると良い目安となっています。私の意志が弱いだけかもしれませんが、どうも集中力というのは1時間ちょうどではなく、せいぜい1時間弱しかもたないようです。

このテクニックが有効なのは、やる気や集中力を燃え尽きる直前のところで制御するという点にあります。私などは一度に仕事を詰め込みすぎるとかえって急速に燃え尽きてしまい、なんだかいやになって現実逃避にウェブをさまよい始めるという悪癖がありますので、このテクニックは割と頻繁に使います。

注意したいのはこの12分の休息は義務だということです。「おっ、調子がいいからこのまま続けよう」という発想で 48 分のリミットを超えて仕事を続けると、あとでガクッとエネルギーが足りなくなる傾向があるようです。

愛用のタイマーアプリ

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この 48 分をマークするためにいつも Mac OS X の Dock の中に DockTimer を仕掛けています。この小さなアプリはいくつかのタイマーをプリセットしておいて、目障りにならない小さな透明なウィンドウでカウントダウンをしてくれます。Dock からプリセットされたタイマーを右クリック一つで起動できますので、ミニマルで非常に便利です。

GTD 的2分カウントダウンを繰り返し行うときには、43Folders でも紹介されていた、Minuteur を利用しています。このアプリは選んだ時間、たとえば2分のタイマーを繰り返しとり続けます。いちいちタイマーをセットしなす必要もなく、容赦なくタイマーが繰り返されますので、GTD のインボックス処理を実行しているときなどに重宝します。操作方法にちょっとクセがありますが、利用し始めると手放しがたくなるアプリです。

Windows ですと最近アップデートされた EcoTimer がいい感じです。プリセットタイマーの設定、カウントダウンされるウィンドウの文字色・透明度の設定、予約タイマーや時報、スクリーンセーバーモード、Microsoft Agent を使ったキャラクターによるタイムの表示、キーボードショートカットの割り当てなど、ふつうここまでカスタマイズができるアプリはありません。タスクバーからすべての機能にアクセスできるのも、タイマーとしての本分をわきまえた良い作りになっています。

私はこうしたタイマーをペースメーカーとして使いながらの仕事法を、やり方がすでにわかっている事務仕事や、ごりごりと文章を書いているとき、面倒なプログラミングをしているときなどに使っています。

そういえば、かの色紙は今も実家の勉強机の前に貼ったまま。いい加減片付けてあげたいものです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。